アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
第4章 18
-
「………起きてたのか」
「…何となく、目が覚めた」
リビングに戻れば
ツバキがソファでココアを飲んでた
目が腫れてる
さっき相当泣いてたから
もう今日は、君の目から涙が枯れてくれてるといい
「……トア、今日はケーキ買いに行こ」
「…今日?」
「もう針が一周したから」
そんな時間か
シャワー浴びて考え事をしてるとどうも時間感覚が狂う
ツバキの隣に、少し間を開けて座る
と、同時にツバキは間を埋めてくる
「…髪濡れてるから水滴落ちるぞ」
「トアならいいよ、別に」
「……そうか」
「うん。……トア、明日はホワイトクリスマスになるかな」
「…さぁ」
天気予報じゃあ雪だけど
スマホを取って、明日の天気を調べる
検索画面を、ツバキに見せてやる
「お!雪じゃん!」と、嬉しそうに
「…寒い」
「どーせ部屋から出ないでしょっ」
「まぁ…」
「ほらね!……はぁ…ご馳走様!美味しかったぁ」
「……置いとけ、明日洗う」
立ち上がり、先にベッドに入る
シンクにコップを置いてきたツバキも後から
電気を消す
寝やすい体制になって、「おやすみ」と
「…トーアっ」
「…………何」
「寒いから、また抱き締めててよ」
背中にくっつくツバキ
どうせ、笑ってんだろ
体を反転させ、ツバキがいるであろう方を向く
そして、軽く腕を回してやる
「へへへ、あったかーい」
「……寝ろ」
「トア、ねね、えーと…」
「…何だよ」
ペタペタと、顔辺りを触ってくる
頬を見つけて、両方をそのか細い手で包む
「…おやすみなさい」
唇に当たる感覚
忘れた事の無い、感触
今日はさっきのココアのせいか甘い
それが、何となく、……
…何考えてんだ
「…おやすみ」
もう少しだけ腕をしっかり締めて
ツバキの方にもう少し寄って
ツバキの香りを、今夜は感じて眠りたかった
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
85 / 181