アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
第5章 4
-
「ねね、トア、コレ何色?」
「…赤」
「成る程、そうきたか…」
帰って来て
ただいま俺はツリーを飾り付け中
色がさっぱりだけどまぁ、別に良いよね!
適当に引っかけたりする
時々トアに手伝ってもらいつつ
てっぺんの星は先に付けといて
丸いやつと、白い綿をぺぺぺっと
あと何か光る奴をぐるぐる巻きにしてやる
「へっへー、これでどうだ!」
「………酷いにもほどがあるだろ」
「はっ!?」
「せめてもう少しどうにかなんねぇのかよ…」
「え、い、いやいや!完璧でしょ!」
「…………」
「……」
「…分かった、それで良いから」
「………何だろう、物凄く悲しいよ」
頑張ったんだけどなぁ
俺からするともうこれ以上のものはないのにね
でもやっぱり光る奴をぐるぐるにしたのは失敗だったかな
………
…まぁ、いっか
取り敢えずクリスマスツリーっぽかったらそれで良いんだよ!うん!
「で、トアは何してんの?」
「明日の料理の準備」
「明日って、クリスマス?」
「…………後は何があるんだよ」
「え、凝ってますね、これは明日が楽しみ」
「……そ」
「で?俺が手伝えるものは?」
「…ない」
「…………何だとっ」
「1つくらいあるでしょ!」と、トアのそばを行ったり来たりしてみる
トアは無表情で
え、本当に無いの…
俺そんなに料理下手かなぁ
〈……ピロン〉
「ん?何だ何だ……と」
『ユッキー
今日から明日まで聖夜祭やるんだけど、絶対来るなよ、絶対だからな!』
「………トア、仕込みはもう直ぐ終わる?」
「…まぁ、お前が邪魔しなきゃな」
「じゃあ大人しくしてるから終わったらさ、ユッキーの学校行こ、聖夜祭ってのあるんだって。来て欲しいんだって」
トアは少し考えてから頷いてくれた
いいねいいね、ユッキーも楽しんでるね
来るなって来て欲しいって意味でしょっ
いやぁ、そんなに楽しいのかな?
「何か、良いことたくさんあるなぁ」
ソファに座って、そう呟く
そんな日が、ずっと続けば良いのにね
そしたらきっと、皆
幸せなのにね
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
89 / 181