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久保蓮司の話⑤
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中野邸で蓮司が自室として与えられた部屋は二部屋ある。ひとつは簡素な六畳、もうひとつは十畳の部屋で、充分すぎるほど贅沢な環境といえた。元々三人は十畳を居住空間に、六畳を機材室と暗室にと考えていたらしい。が、機材の殆どは事務所に置いてあり、趣味レベルで現像する暗室などウォークインクローゼットを改造した分だけの広さで事足りた。持っている洋服はウォークインクローゼットどころか六畳備え付けのクローゼットで収まるし、寝るだけの居住空間は十畳もあると却って掃除の手間がかかる。コンビニエンスでコンパクトなライフスタイルを好む蓮司には六畳で充分だった。
かわりに十畳の部屋には憧れだったホームシアターを設置した。事務所には創造するための機材の殆どを置きっぱなしにする一方で、自宅に映画を見るといったインプットするための環境を整える。理想的なオンとオフの切り替えとなる筈だったが、ホームシアターの設置と同時にシーナがキングサイズのベッドを運び込んたせいで、残念なことに蓮司は未だこの部屋の設備をひとりで使ったことがない。
「あ……っあ、う……っ」
そのキングサイズのベッドの上では四つん這いのシーナが航平に責められ啼いていた。ベッドヘッドに背を預ける形で座る蓮司と双葉からは航平の引き締まった尻しか見えないはずだったが、足元のベッド下で三脚に固定したビデオカメラはリアルタイムにシーナの表情をスクリーンに映しだしてくれる。
「も……っ、やぁ……っ」
シーナが泣きながら顔を伏せる。セックスなど撮られ慣れているくせに珍しく恥じらう姿はどうにも股間にクる。シーナの中では「撮る」ことと「録る」ことは明確に分けられているのかもしれない。それを言い出したら三脚で括りつけられた今の方が「録る」に近いのだが。
「そんじゃ見えねえっしょ。双葉とレンちゃんにイイ顔見せてやんなきゃ」
航平に髪を引かれてシーナが顔を上げる。航平にはまだ幾分か余裕がある。だからこそこうして蓮司も双葉も落ち着いて見物していられるのだ。
持ち上げられたシーナの顔は造り物のように整った造形なのに、上気して目元が朱に染まっていた。汗の浮いたうなじから首筋は湿り気を帯びて光り、色素の薄い髪が輪郭にベッタリと張り付いて艶かしい。
「珍しいね、城崎いるの」
「久保じゃ頼りにならないからな」
スクリーンの中でシーナがゆっくりと目を開く。悩ましげに寄せられた眉の下で、瞼が持ち上がり、すこしズレた視線が徐々に蓮司と双葉を捉えた。この顔でカメラ目線を向けることがどういうことなのか、シーナはきっと知っている。現に息を呑む二人の会話は一度不自然に途切れた。
「……明日仕事でしょーが、城崎サン?」
「さっき言ったとおりあんたが頼りにならないからだろ、久保サン?」
仕事だろうが仕事じゃなかろうが、蓮司と航平の二人がかりでシーナを抱くような現場に双葉がいること自体が珍しいのだ。双葉は納得ずくでこの共有関係に加担しているが、本来誰かと恋人を共有することなど許せないタイプだ。蓮司とは真逆だからこそそれが分かる。
「悪かったって。俺が迂闊でしたよ……」
「どこの馬の骨とも分からないオンナとヤらせやがって」
「いや、今をトキめく琴吹綾乃ですけど。来季の朝ドラヒロインですけど」
ギロリと双葉に睨まれ、蓮司は首を竦めた。ただし、綾乃のことを悪く言われるのは気分のいい話ではない。
「そんなことはどうでもいい」
「どーでもって……」
「久保ひとりじゃ荷が重いだろう、今夜の航平は」
蓮司は軽く溜息をついた。確かに、いつも双葉からはそういう意味で「役立たず」と言われっぱなしだ。それでも双葉が蓮司の存在を認めるのは、いないよりはマシだと思っているからだろう。
けれど双葉の言う通り、今夜航平がキレたら蓮司ひとりで押さえるのが困難なことは容易に想像できた。
肌がぶつかる音がするたび半開きの唇からはシーナの喘ぎが漏れた。航平はもう髪を引いてはいなかったが、必死に開かれたシーナの苦しげな眼差しはカメラのレンズに向けられたままだ。
「……どっち見てんの」
蓮司と双葉に見せてやれと言った航平は、同じ口でシーナの視線を咎める。理不尽な非難にシーナが更に顔を歪め、ようやく目を逸らした。
「こ……れ、ぃやだっ。航平のほう、見たいっ」
後背位で激しく突かれながら切れ切れにシーナが訴える。わざとなのか本気なのか蓮司には分からなかったが、蓮司だったらきっと我慢できずにシーナと向かい合う体勢にすぐさま体位を変えた筈だ。
一人でも生きていけるように、と言ったシーナは、裏を返せば一人になることを極端に恐れていた。それなのに、シーナを見ることのできる三人と違って、シーナの前には無機質なカメラがあるだけで、獣のように犯されながら誰の姿もその視界にはいなかった。
シーナが可哀想だ。
それもまた、シーナの思惑通りなのかもしれない。
けれど蓮司はベッドヘッドに預けたままだった背を起こした。
「まだオンナとヤれるとか思わなかった」
航平の呟きに蓮司はそのまま動きを止める。シーナの動揺はもっとあからさまだった。
「俺らにちんぽ突っ込まれてヒイヒイよがってるくせに、まだオンナとヤれんだ?」
「……ごめんな、さ…、あ、アッ……」
「なァ、オンナにちんぽ突っ込んで、あんたそれでホントにイけたのかよッ」
航平の身体が大きくグラインドして、その瞬間シーナが悲鳴に近い声を上げた。
スイッチが入ったのは航平よりもシーナの方だった。啜り泣きながら謝罪を繰り返し始めたから、蓮司は咄嗟に双葉を制して二人の元へと這い寄った。
いくら頼りない役立たずと言われようが、これは蓮司の不始末だ。
「それじゃ見えねーよ、航平くん?」
邪魔だと言わんがばかりに航平が蓮司を睨みつける。その顔にはいつもの駄々っ子のような幼さは微塵も存在しなかったが、蓮司は敢えて涼しい表情でそれを受け止めた。
シーナの両腕を掴んで引き上げると、上体がぐらぐらと揺れながら起き上った。感じやすい身体はそれだけでも小刻みに震えて気の毒なほどだった。
綾乃と浮気しようとしていたのは蓮司の方だ。それをシーナが気に入らずに当てこすったというのは自惚れすぎかもしれない。けれど、蓮司もあの場に混ざったことをシーナが白状しないのは、シーナの方にはまだ蓮司を手放す気がないということだ。もしもあんなことが航平と双葉に知れたら、いくらシーナが手を回そうとも二人は蓮司のことを叩き出すだろう。
「さっきから顔しか写ってねえの。もっと見せろよ、シーナくんのイイトコロ……」
航平は相変わらず鋭い視線で蓮司を睨んでいた。構うことなくシーナの身体を起こすと、航平は繋がったままでいるために座らざるを得なくなった。
面倒事を嫌う蓮司は二人にスイッチが入ってしまったら基本的には撮るのに徹して介入しない。その蓮司の小さな反乱を見極めるためか、航平は睨んだままでも蓮司のされるまま座った体勢を整える。
シーナは航平に寄り掛かってハアハアと粗い息を吐いていた。身体の下に巻き込まれそうだった両脚を掴み、大きく開かせると、中心では限界まで張りつめて泣き濡れるペニスがその存在を主張していた。
「……もしかして、止めてた?」
ふい、と航平が視線を逸らす。後ろからも、前方のカメラからも見えない死角で、航平が何をしていたか知り、蓮司は眉を顰めた。それまでのシーナの嬌態を考えるなら、中だけで何度か達していてもおかしくはなかった。
綾乃とのことを打ち明ければこうなることなど分かっていたはずだ。二人に対して隠し事はできないから、などと詭弁を並べてこのザマだ。その上、謝るばかりでイかせて欲しいとは口にしない。蓮司や双葉に対して助けてくれとも言わない。
こんな風にされたかったとしか思えなかった。所詮、航平も、双葉も蓮司も、シーナの手の上だ。
「航平くん。仕置きがしてえなら逆効果だ」
そして蓮司は双葉を呼ぶ。双葉はしぶしぶといった様子で服を脱ぎ捨ててベッドの下へ落としていった。
「シーナが怒られて責められて、謝りたくて悪さしてんの、航平ももう分かってるだろう? 素直に与えてどうする」
察しのいい双葉が近付く。蓮司は場所を譲るついでにホームシアターの電源を切った。これから始まる茶番は、記録する価値はあっても今ここで投影する意味はないだろう。
「俺たちのこと傷付けて楽しいか?」
双葉はシーナの顔を上げさせて、悲しげに笑った。
シーナは苦しそうに喘ぐ表情を変えはしなかった。ただ、目を細めて――。
――笑ったような気がした。
それは双葉の口付けに隠されて見えなかった。
唇が合わさるだけなのに、随分長い口付けだった。
それまでの荒い呼吸が行き場をなくし、シーナは徐々に身体を強ばらせてもがき始めた。それを航平が後ろから羽交い締めにして動きを封じる。航平はシーナの背に顔を押し当て小さく呻いた。
「双葉、双葉、ヤベェ締まる……」
先に根を上げたのは航平の方だった。双葉が唇を離すとシーナは酸素を求めて大きく息を繰り返し、それからまるで泣いているみたいな顔で笑った。
「……だったらなんで僕に構う? 航平のことも、双葉のことも、レンのことも……っ、傷付けて、ばかりなのに……なんで僕に構うんだ」
「馬鹿か。おまえのことが好きだからに決まってる」
そんなことも分からないのか、と双葉が心底呆れながら言った。シーナは本当に意外だったのか、目を真ん丸に見開いてぽかんと口を開けていた。
「……まー俺は愛してんだけど!」
背後で双葉に対抗する航平が、もう普段の彼らしい子供っぽさで口を尖らせる。助けを求めるようにシーナが蓮司の方を見たので、蓮司は大きく二度ほど頷いておいた。
シーナを羽交い締めしていた航平の手が、そのままシーナの上半身を撫で始める。双葉はシーナの脚を大きく開かせ、太股の内側に指を這わせた。
「あ……っ、ア、待って……っ!」
「長いこと我慢してたんだろ? 一度出しておいた方が楽だ」
乱れた呼吸が引き攣って裏返る。全身の至るところを一度に愛撫され、シーナはビクンビクンと身体を跳ねさせた。強すぎる刺激に抗うよう両手で彼らの腕を引き剥がそうと試みるが、それは大した抵抗にもならなかった。
「アッ、あんっ、ア……だめっ、だめ……っ」
航平が両の乳首を指で捏ね、双葉がシーナの前を扱く。緩く突き上げられてシーナの身体は面白いぐらいに跳ねた。
「ダメじゃないだろ。ナカ、めちゃめちゃ熱い」
「やぁああっ、だめ……っ」
「前も。ヌルヌルに濡れてるの、分かるか?」
「あ、あぁ……っ、い、や……、いや、だ……っ」
「いやじゃない、シーナ。……イイって、言えよ!」
徐々にペースの上がる突き上げにシーナが甲高い声で啼き続ける。航平が、大きく顔を歪めた。
「ああぁっ、いい……っ、あ、あ、いい……い、く……っ」
蓮司を呼んだのは意外にも双葉だった。それはただの目配せだったが、蓮司は困ったように笑ってベッドへ足を向ける。
シーナが、航平と双葉に同時に抱かれるところを見るのは初めてだった。そして、地下室以外で双葉がシーナを抱くところを正視する機会もまた皆無だ。
「今夜はとびきり優しくしよう。その方がシーナにはキツいだろう?」
シーナと二人だけの時にしか見せない柔らかな表情で双葉が言った。シーナは今にも達しそうなのに眦を下げて戸惑いをあらわにする。その背後には、こちらも余裕を失いつつ、どこか楽しそうな航平の姿があった。思えば航平がシーナを抱く時にはいつもどこかに怒りと苛立ちが見え隠れしていて、こんな姿を想像したこともなかった。
(困るよねぇ)
こんな時に限って手元にカメラはない。三脚に固定しているが、自分で回せないのは惜しい限りだ。
同時に、カメラがないからこそシーナに触れることができるのだと気付いている。ただただ気持ちよさそうに身体を揺らし、鼻にかかった甘ったるい声を上げるシーナの痴態は股間を直撃した。誘ってくれたのがあの双葉だというのも特別だった。
蓮司は手を伸ばし、シーナに口付ける。シーナは嫌がるというより酸素を求めて顔を振った。挨拶代わりに唇を舐め、首筋に舌を這わせる。
「気持ちいいの?」
耳元で囁くと、シーナががくがくと頷いた。
「気持ち……い……、も、イきた……ぃ……っ」
「俺も。もう、限界」
鎖骨を唇で食む。蓮司の行動を見越してか航平の手は乳首を離れ、腰を撫で下ろしてシーナの両脚を抱えた。蓮司は唇を胸元へと這わせ、そこに息づく突起を舐める。シーナが髪を乱して大きく震えた。
「ああぁああ――……」
下から突き上げるだけでなく、両脚を抱えられて揺さぶられる動きはシーナの深淵を抉ったのだろう。一際高い声を上げ、シーナは身体の至るところを突っ張らせると、双葉の手の中に勢いよく精を吐いた。
「く……ぅぁっ」
蓮司は双葉の手を追ってシーナの双球へと指を伸ばし、更にその奥へと差し込む。淵に沿って指を這わせると、航平のペニスを飲み込んだそこはうねるように蠢動していた。
これでは航平だってひとたまりもないだろう。
航平は噛み締めた奥歯から呻き声を漏らす。
蓮司の指先ではシーナのアナルが、容量を増した航平のペニスによってぴんと張り詰めるぐらいに拡げられたのが分かった。そこはローションで潤ませた以上にぬめりを帯びて、挿入を想像するだけで全身の血液が下肢へ集まりそうだった。
「はぁ……っはあ……っ」
シーナと航平が何度も呼吸を繰り返す。その息が落ち着きもしない内から双葉がシーナの身体を引っ張り上げ、達したばかりの航平は苦い顔でシーナの体内からペニスを引き抜いた。
次は双葉の番かと、蓮司は落ち着きのない自分の下半身を持て余したが、双葉と視線がぶつかり、目だけで譲られると遠慮なくシーナの身体をマットへ沈めた。
「……待って、レン」
「うん、ごめんねえ?」
シーナは焦点の合わない目で何度も瞬きをしていた。ぼんやりと制止する言葉は拒絶でも懇願でもなく、ただの反射だ。
だから蓮司は構うことなく達したばかりの身体へペニスを宛がい、ゆっくりと身を進めた。
「や……っ待って、待ってッ、ァアア――!」
中は想像以上に熱い。
綻んだそこは、収まらない快感に大きくうねっていた。
「……シーナくん、……これ、マジやべえわ」
「ん……っんんッ」
航平の放ったものを溢れさせながら、もっと奥へ奥へと誘われていく。一瞬で飲み込まれそうになるのを、蓮司は必死で堪えた。
それなのにシーナは、頭上のシーツを両手で握り締め、強すぎる快感から逃れようと身体をずり上げる。
きっと、その両手を上から押さえつけて無理矢理奥まで捩じ込めばシーナは狂ったように悦ぶのだろう。それが分かって蓮司は余裕のない表情で少し笑った。
「それじゃ抜けちゃうよ、シーナくん」
いいの? と問いかけながら、シーツを握る両手の指を一本ずつ解かせる。それは気が遠くなるほど長い時間に感じられた。
解いた手は双葉が指を絡めて握った。シーナはその意外さに目を見張る。
「挿れてもいい?」
「……こわ、い。レン、こわい」
「何が怖いの?」
「気持ち、よすぎて……おかしくなっちゃいそうで……」
蓮司は思わず吹き出しそうになる。見れば航平も双葉も笑いを堪えて妙な顔をしていた。
「いつもおかしくなってんじゃん。航平くんにガン掘りされて、城崎に玩具で虐められて。いつも意識ぶっとんでおかしくなってるよ」
何を想像したのか、シーナのナカがきゅうと締め付けるから、この正直な身体も困ったものである。
「そう、じゃなく……て」
「うん……いいよ。一緒に、おかしくなろう?」
尚も言いつのろうとするシーナの言葉を遮り、蓮司はとてもゆっくり、ゆっくりと挿入を再開する。
「あ、ん……ああぁ……ッ」
仰向けのままシーナが仰け反り、航平と蓮司の二人掛かりで弄った乳首が朱く色づいて上を向く。
奥へと進むたび、航平の放ったものが溢れ、シーナの精と混ざって蓮司の下生えを濡らした。
感じすぎる身体は辛そうだったが、シーナはいつものような苦悶の表情を浮かべてはいなかった。ただ蕩けそうな顔で、揺さぶられるまま声を上げ続ける。
「久保、座らせられるか?」
「ん」
もうあっという間に射精してしまいそうだったのを双葉の声が引き戻した。余韻をやり過ごした航平と双葉が脱力したシーナの身体を起こし、蓮司はそれを抱き留める。向かい合って座る形になると、シーナは縋るように両腕を蓮司の首へと絡めた。
「あ、あ……深い…っ」
「気持ちいい?」
「……あんっ、あ、……ダメッ、おかし、く……っ」
シーナがびくびくと身体を震わせるのは、背後から航平がいたずらを始めたからだ。ぴたりとシーナの背に張り付いて、前に回した手で胸元を弄り、背筋に沿って舌を這わせる。耳元をパクリと咥え、舌先を耳の穴へと捩じ込むのが見えた。
ハアハアと喘ぐ口を双葉が開かせたまま掴んで横を向かせ、浅く自身を挿入する。満足に呼吸もままならないシーナの息苦しさは、そのままダイレクトに蓮司の下半身へと伝わった。それなのに、シーナはうっとりと頬を上気させて双葉のモノをもっと奥へと吸い寄せて咥える。
「エロすぎ……」
航平の呟きはもっともだ。
「んっ、ん……ッ」
「上の穴も下の穴も、耳ん中も、いろんな穴、俺らに埋められて、気持ちいーね」
からかってやるとシーナの中は面白いぐらい蓮司を締め付けた。シーナが横を向いたせいで、不自然に首を傾けて航平が耳を執拗に弄る。シーナは身悶えながら必死で双葉のモノをしゃぶっていた。時折覗く舌使いはぎこちなく、それがシーナの体内に埋めたペニスを一層煽った。
「シーナが声出さないから、やらしー音、すっげえ聞こえんの。わかる?」
低く囁く航平の言うとおり、耳からも、口からも、そして蓮司と繋がる部分からもぐちゅぐちゅと卑猥な音がしていた。
「うッあ、……んン、く……ッ」
「そんな奥まで咥えなくていい。後で挿れてやれなくなる」
「ん……っ」
「あれ、双葉この後やんの?」
「当然」
「俺らの後とか無理っつーのかと思ってた」
「……たまには、な」
「ん……っん、んン……――ッ!」
蓮司は二人の会話を聞きながら腰を揺らす。会話に混ざる余裕はなかった。次には双葉が控えている。我慢することもないだろう。
この後双葉にも抱かれるシーナは、もうまともにフェラチオもできない状態だった。ただ開いた口を、双葉のモノが出入りしているだけだ。
「レンちゃんが静かだ」
「お前ね……」
呼気を喘がせながら蓮司は航平の方を睨んだ。反対側で双葉が自身を引き抜く。
「ああぁぁ、ぁああ……ああぁ……」
声を堰き止めるものがなくなり、シーナは揺さぶられるまま声を上げ続ける。嬌声を久々に聞いたような気がして、蓮司は突き上げるスピードを上げた。
「ヌルヌルで、すっげ気持ちいーよ……ナカ、航平くんので、いっぱいだし」
潔癖そうに見える双葉へ当てこする。ここに自分のも足してもっとヌルヌルにするんだけど、とまでは息が切れて言えなかった。
シーナの腰へ手を回して支え、蓮司は自らの快楽を追う動きに変える。シーナは蓮司にしがみついてただ揺さぶられるまま声を上げる。
どちらの予兆だったかは分からない。粘膜と粘膜の合わさるところがびくびくと痙攣して、それが蓮司の脊髄を駆け上がった。
「ぁ……だ、レン……っ、いっ、ぁああアア―――……ッ」
目がチカチカした。
蓮司は少々荒っぽくシーナの中を突き上げると、一気に己を注ぎ込んだ。
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