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「あ、えっと、初めまして、御堂(ミドウ)諒太です。」
「福田健吾(ケンゴ)です。諒太くん、よろしくね」
ふわっと笑って礼儀正しく綺麗な姿勢のお辞儀付きで挨拶をしてくれる福田さん。これからは、俺も“福田”になるから“健吾さん”って呼んだ方がいいか。
そんなことを考えながら、俺もペコッと頭を下げる。
俺はちゃんと姿勢の悪いお辞儀で返事をした。
「はい。よろしくお願いします」
すると、健吾さんは目尻を下げて本当の息子を慈しむような顔をした後、俺の目を見つめて、少し息を飲んで、意を決した様な顔をして真っ直ぐとした声で話し始めた。
「実は僕も一度離婚していて、一人娘がいるんだ…」
一人娘?健吾さんに?なんで先に言わないんだおふくろ…
と思いジトっと見たら「うん?」とした顔をして今にでも、なぁに?と聞いてきそうな顔をしている。
自分のおふくろながらこの人にそう言う根回しや気遣いを求めるのは間違いだったと心の中で改めた。
流石に突然の情報で戸惑っていると、健吾さんは後ろを向いて「ほら、出ておいで」と小さく誰かを呼んだ。
十中八九このタイミングなら娘さんだろう。
健吾さんの背中の陰から体半分だけで
現れたのは小柄な女の子。
「初めまして…諒太くん…でいいのかな…。
あ、あの、私、福田遙(ハルカ)です。よろしくね」
遙さんは最初こそモジモジと恥ずかしそうにして隠れていたけど、なんとか挨拶を終えると俺に二コッと純粋な笑顔を向けながら手を出した。
俺は少し驚きながらも、差し出された遙さんの手に
自分の手を重ねて握手をした。
「遙は、諒太くんのひとつ上の6年生だよ」
…年上、年上かぁ。姉さん、姉貴?か。不思議な感覚だ。
勝手に年下だと勘違いしてた。俺より身長が低いから。
女の子はこんなものだろうか?
「初めまして、遙ちゃん」
5年生の俺はあまり女の子に興味無いから分かんないなぁ。とか思ってたらふわふわとおふくろがいつもの笑顔で話しかけ始めた。
おふくろは腰を少し曲げて、遙さんと同じ目線になった
「私は御堂洋子(ヨウコ)って言います。
遠慮せず「お義母さん』って呼んでね」
「お、お義母さん…」
「そう。私は遙ちゃんのお義母さんになるの。
なってもいいかなぁ…?」
おふくろの言葉は、語尾に「お願い」という言葉とハートマークや音符マークがくっついてきそうな感じだった。
やっぱりこの人はどこかふわふわしている。
少し動揺していた遙さんだったけどお母さんという存在が珍しいのか、すぐに嬉しそうな笑顔を浮かべた遙さんは、おふくろのことを「お義母さん!」と勢いよく呼んだ。
これが、健吾さんと遙さんとの初めまして。
これからは、この4人でいずれ、家族になる。
家族を作っていくんだと心を弾ませていた。
大袈裟だと思うが、俺らしくもなく、今なら花さえ積みながら遊べそうだ、なんてふざけた気分になった。
そして、俺たちの初対面を終わらせたあとも2人は順調にお付き合いを続けた。
おふくろと健吾さんは俺が小学校を卒業したと同時に入籍した。小学校の間に苗字が変わると色々な噂が飛び交ってしまう、と待っていてくれたらしい。
ただそうすると遙さんが中学二年生に上がるタイミングで名前が変わってしまうから、良いのか?と聞いたけれど、健吾さんに『最年少を守るのが大事だろう?』と優しく諭されてしまった。遙さんも構わないと頭を撫でてくれた。
俺が中学校に入学し、この4人で住み始めた。
幸せな日常、初めての日常。本当に幸福な日々だった。
────────────────────────
「いいなぁ。何かもうこの段階で分かった気がする」
「何がだよ、」
「ん~、福田が優しい理由?」
「はぁ?」
「沢山お母さんから愛を貰ってきたんだなぁって」
「まぁ、そうだな。体を壊しても働いてくれてたから、俺は心配だったけど、小学生は何も出来ねぇから」
「うんうん、優しいねぇ」
「おい、充、それはバカにしてるんだな???」
「え、なんでそうなるんだよ」
「はぁ…まぁいい」
「えぇ、俺なんで呆れられてんだ…」
「お前くらいだよ、不良の俺を優しいなんて言うのは…」
「え?なんて??」
「なんでもねぇよ」
「変な福田だなぁ。」
とか、過去編の間にこういう会話して福田の中で勝手に充の好感度が上がってたら可愛いどすなぁ( ˊᵕˋ )
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