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「おい聞いてねぇぞ」
ドスの効いた声ですかさずボス(仮)に睨みを効かせる。そんな顔もできたんだな福田。正直死ぬほど怖い。幸いそんな簡単に死なないけど。
「良いじゃないですか!ちゃんと謝ったのも悪いと思ってのことですし、許していただけるならお友達になりたいです充くん!」
どうしたらいいだろうか、後ろ2人はそんなことを言うと思っていなかったみたいで驚いて固まってるから先程から空気扱いだし、俺は、友達なんか作っちゃいけない。
「……え、っと、」
「無理、ですか?」
不安そうな顔で覗き込むようにこちらの様子を伺ってくる。そんな顔をされてしまうと断りにくい。
「やっぱり、やったことは許されないですよね。充くん泣いてたし」
うわああ泣いてたの見られてる!
「泣いてたのは、その、気にしないで、ほしい、かな」
「あっ照れてる」
「ちょっと黙れ。調子のんな」
静かに見守っていた福田がフォローを入れてくれたらしい。俺は見られたことを気にしていてそれどころじゃなかったけど。
「やったことは許されないと思ってますし、僕なんかの顔を見るのも嫌だと思っているかも知れませんが、でも、出来ればこれから仲良くなっていきたいから、お友達になってくれませんか?」
これが最後のチャンスとでも言うような顔でこちらを見てくる。そんな顔、しないでくれ。断れないじゃんか。
「うん。わかった。よろしくね、えっと」
やばい。名前確認するの忘れてた。
後で見とこうなんて思ってたのに!
「お前も名前覚えてねぇじゃん」
フンッとドヤ顔のような顔をしてこちらを見てくる。
その顔イラッとするから蹴りたい
「今それ言わなくていいだろ!」
「ははっ!大丈夫ですよ。僕、実は同じ名前なんですよ」
「え?」
同じ名前?まさか福田と?てことは諒大とか?
正直その綺麗な顔に諒大は似合わない気が、、、。
「僕は樋上美鶴(ヒガミミツル)です。美しい鶴と書いてミツルと読みます」
同じって、俺のほうか!
「あーまじか。」
どうやら福田も知らなかったらしい。俺も今聞いて驚いたけど、そんな事より
「綺麗な、名前」
「ありがとう」
思わず声に出してた!最近多いなこれ、、、
ありがとうと言った樋上美鶴さんの顔は少し照れくさそうですごく可愛かった。
「僕は勝手に充くんと呼んでいますが、好きに呼んでくれていいですよ」
「じゃ、えっと、俺も美鶴くんにしよっかな」
「はい!ありがとう!」
もうそれは嬉しそうにニコニコと俺と話してくれる。こういう空気はあまり経験して来なかったから少し恥ずかしく感じる。
あと少し気になってたんだけど、
「美鶴、くん。その敬語は、癖?」
「あ、いや。そんなことも無いですけど福田様、じゃなかった。福田さんがいるとついなってしまうと言うか」
「じゃあ、やめて欲しい。あ、もちろん無理にじゃねぇけど、同級生なんだし」
「わかりました。あ、分かった!かな。気をつけるよ」
「おう!」
ちょっと、いや、かなり嬉しい。
でも、笑えてはない、かな?
視線がふと気になって福田の方を見たけど、なんだか珍しいものでも見たような顔をしてる
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