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Part 2―1
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【零side】
大丈夫だと言われて、頭を撫でられた。
気持ちいい...
無意識に手にすり寄る。
「落ち着いたか?」
「...うん、もう大丈夫だよぉ~」
未だに震えは止まらないし、涙も滲んでるから、説得力なんてないかもだけど。
「俺の前で強がりか?」
「...そんなことないよぉ、いいんちょー」
「零、演技はやめろ。今は誰もいない。...それと、名前で呼べって言ったよな?」
「...委員「な・ま・え」...朔」
「よろしい」
あー、もう。
学校ではあまり呼びたくないのに。
朔のオーラが怖くて、逆らえなかった。
「まだ見るのか?悪夢」
「うん...ごめんね?情けないとこ、見せちゃったね...」
朔から、顔を俯かせる。
今の俺の顔を見られたくない。
恐怖で歪んだ、顔なんか...
「こっちを見ろ、零」
クイっと顎を持ち上げられる。
目に写った朔の顔があまりにも真剣で息を呑んだ。
綺麗なこの瞳に、俺はどう写っているのだろうか。
「情けなくなんかねぇよ。お前はいつでも、綺麗だ」
耳元で囁かれ、腰が疼く。
ものすごく恥ずかしいことを言われてるのに、朔の目に声に囚われて、気にならなかった。
「俺が悪夢のことなんか...」
鼻と鼻がくっつきそうな距離に朔の顔がある。
ああ、いつもこの目に逆らえない。
「忘れさせてやるよ」
そう言って、朔は妖艶に笑った。
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