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チャラ男の夜☆6
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それはとても、凄惨な光景だった。
あのフードの奴が、次々とチンピラ共を倒していく。
どう見ても細く華奢な身体で、自分の一回りは大きい男を倒していく様を、俺は茫然と見ていた。
しなやかに、優雅に。
どこか妖艶さを漂わせた、そんな動き。
初めてだ。
こんなにも他人の喧嘩を綺麗だと思ったのは。
「すげぇ...」
その姿に、見惚れてしまった。
「グハッ」
「ひぃっ!う、うわぁぁあ!」
リーダー各が倒され敵わないと思ったのか、チンピラ共は仲間を置いて逃げて行った。
「...こんなもんか」
フードの奴はそう呟くと、俺に背を向けて歩きだした。
「待って!」
行ってしまう。今ここで呼び止めなかったら、もう会えない気がした。
助けて貰ったお礼も言いたい。
フードの奴が、ゆっくりとこっちを向いた。
「なに?」
「あ、あんたは、何者なんですか」
うわっ、俺何いってんだ!
何者ってなんだよっ。
しかも、敬語になっちまってるし。
俺が動揺してると、そいつはクスッと軽く笑った。
「...クロネコ」
「クロ、ネコ?」
「そう呼ばれてる」
クロネコ。
聞いたことがある。
ここらじゃ、有名な族潰しだ。
俺が驚いていると、クロネコはもう用がないとばかりに、行ってしまった。
やばい...。
胸がドキドキする。
俺はクロネコに、一目惚れした。
―side end―
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