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「ん?あれ?僕も『彼氏』?」
「そうなるけど、『彼女』のほうがいい?」
慌てて『いいえ』と首を振る。
「裕太、こっち見て」
「え」
不意に顎を掬われ、晴山さんと視線があう。
わ わ わわっ……
チュッ
どんどん近づいてきた唇は重なった。
「……いきなりは、ビックリする……」
独り言のように晴山さんに言う。
「さっきの裕太もそうだったけど」
赤く照れた僕のほっぺたをムニムニとする。
「いひゃいれふ」
「ははっ、可愛いよ」
幸せそうに笑う晴山さんはとても素敵だ。
とても、惹かれる……。
そろそろ夕日が沈む。
水平線はすこし明るいぐらい。
風も穏やかになってきた。
「あ、裕太、もう車に戻ろうか」
晴山さんは思いついたように話を切り出した。
「え、なんで……」
「潮が満ち始めてる。ここまで波がくるようになってた。」
言われて気づいた。
僕達の足元ギリギリまで波が来ている。
さっきは1mぐらい先までだったのに。
「そっか、」
納得したものの、やっぱり、もう少しここにいたいなーなんて……
「んー?裕太はもっとここでイチャイチャしてたかった?」
「なっ!?」
図星
「俺はいーよ?ずぶ濡れになった裕太をお持ち帰りしてあっためてあげれるし」
お持ち帰り……
「け、結構でーす……」
そそそ、と晴山さんの胸板から手を離し、引く。
「つれないなー」
ふぅっ、と溜息をつきながらも悲しむ顔はしていない。
「こういう所、調教のしがいがある……」
晴山さんはクスリと笑い、何かを呟いたが、その言葉は波音によって聞こえなかった。
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