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77〜裕太過去編〜
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中学2年の頃────。
身長がなかなか伸びなくて、凄く悩んでた時……。
154cm────────。
女子にも男子にも『可愛い』と言われ、腹が立ってしょうがなかったことがあった。
「裕太?また可愛いって言われてんの?」
僕の教室机に座って、にやにやと笑う奴……。
興津臨太郎(おきつ りんたろう)
幼稚園からの友達で、いつもつるんでる。ある意味幼馴染。
僕とは全く違い、背が高くて、スラッとしてて、イケメンで、女子にもモテモテのモテ男。
「可愛いとか僕は男なんだけど」
「あはは!!そういう、一人称が『僕』とか、拗ねて顔赤くするとことか……可愛いよ。ホント」
「臨まで言うの?!?」
一人称は、なんか『俺』っていうのは合わなくて、ずっと『僕』なんだ。今更直すのもなんだか……。
「裕太!ちょっとこっち来て?」
「紅林。何?」
教壇の前に、クラスメイトから手招きされ、椅子から立ち上がり、そっちに行くと……。
「ちょっと抱っこさせてくんね?」
数人の男子が僕を見てワクワクした目を……。
「はぁ?なんで」
「いつか女子を姫さん抱っこするための練習」
「なんで僕が女子がわりなのさぁ!?」
いや、まぁ、女子に『抱っこさせてー』なんて頼めないのは分かっているんだけど。
「お前が小さくて可愛いからだ」
みんなが紅林の言葉にうんうんと頷いた。
後ろからはクスクスと笑い声が。
「臨も笑うなよぉ!!」
肩を震わせて、笑いを堪えているつもりなんだろうけれど、そんなのは関係ない!
「なっ、裕太!!おもちゃになって!!」
顔の前にパチンと手を合わせ、お願いされる。
う゛っ…………
どうせ、コイツらにとっては遊びだし、姫さん抱っこぐらいいいか……。
「はぁ。すぐ降ろせよ」
「おっ、やった。じゃぁさっそく」
手短に済ませてくれ……。
なんだかんだ言って、紅林は170ぐらいある高身長。
まだ44kgしかない僕は軽々持ち上げそう。
紅林が僕の膝の裏と脇の下に手を入れて、ぐっと力を込めて立ち上がる。
「ひゃっ。ちょ……ぅーわ」
「おいおい!!裕太お前軽すぎね!?いくつだよ」
紅林は僕を胸の高さまで持ち上げる。
完全に浮いた状態だ。
「……44……」
「お前食ってんのかよ!?筋肉つかねーぞ」
紅林は『俺は60だけどなー』とかいいながら、腕を上下に動かす。
「やっ、ちょ、やめろっバカ!!」
突然の揺れ?に驚き、僕は紅林の首元にしがみついた。
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