アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
86
-
「どうする?」
「え、なにがです?」
ズボンを履く僕と、まだ裸の晴山さん。
晴山さんは片手で頭を支えながら、こっちを見た。
「今日はオフ貰ったんでしょ?」
そういえば、そうだった。
姉にはゆっくり帰ってきていーよっていう許可を貰って……。
「もっかいデートする?」
ニヤニヤ笑う晴山さんは、たった数日で御馴染みになっていた。
予定は────
「あ。すみません晴山さん、僕午後から約束があって……」
「約束?」
その言葉に晴山さんはピクッと反応し、目つきが鋭くなった気がした。
「バイトの時間になるまで友達とちょっと」
今日はたしか6時からのシフトが入っていたはずだ。
だけど、それが無いとなれば、友達とはそれなりの時間が作れるはずだ。
「俺より友達を選んじゃうの?」
「え」
晴山さんは枕に顔を埋め、隙間からチラリとこっちに目を向けた。
晴山さんの放った言葉は、『私と仕事どっちが大切なの!?』っていう面倒くさい女性像そのものだ。
「先に約束してたのは友達の方なので」
一応、高校1年からの友達だし、それを蔑ろにすることは……。
「……そ。……わかった。じゃあそろそろホテル出ようか」
よかった……。
晴山さんはやっとベッドから起き上がり、またシャワールームへ入って行った。
……?あれ……?
晴山さんの背中は、何だか怒っているように感じたのは────……。
気の所為……かな……。
俺は特に気にすることもなく、帰りの準備を始めた。
「せっかくラブラブしたかったのに……」
晴山の本音は、シャワーの音にかき消されていった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
86 / 189