アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
91
-
『ねぇ君高校生?可愛いね』
『誰かと待ち合わせ?』
『彼氏なんてほっといて俺らとお茶しない?』
泉裕太────。ショッピングモール───。
只今絶賛ナンパされています。
「あの〜……」
『俺、君みたいなボーイッシュな感じの女の子好みだな〜』
『髪短いけど、何かスポーツやってるの?』
目の前に立つのは身長180前後の大男2人。
七分丈ぐらいのシャツと、紺のキャップをかぶった奴。
もう片方はサングラスを服の襟口にかけた、チャラい格好だ。
コイツらの目は腐ってんのか……?
確かに俺は背が低いよ!?低いけどさぁ!?
服だって、持ってるのでお気に入りのやつなんだぞ!?
黄緑のボーダーの半袖パーカー!!
七分丈の白のズボン!!
これで女にみえるかぁ!!!!!!!!?
『ねー、彼女〜』
1人の男がじりじりと僕を壁に追いやる。
く、くそ……どうすれば────。
「ちょっとおニーサン達、何してんスか」
『あ?』
『誰だてめえ』
男達の肩越しに立つ、男達と同じぐらいの身長の────────
「大和っ!」
不気味なオーラを放った待ち人、片倉大和が現れた。
ニコニコと笑っているのに……あれ……怖い……
『何?君この子の友達?』
「いーえ?か・れ・し」
「うわっ」
男の問いかけに対して、するりと動いた大和は、俺の隣に来て腰に手を回した。
「や、やま……」
「おニーサン達には、この子は勿体ないよ」
大和は、とびきり爽やかスマイルで、男達にはにかんで見せた。
『チッ……。』
『クソが』
馬鹿な語彙力で男達はそのまま人ごみの中へ消えていった。
「大和、ありがとう」
「おう!つーかお前、男なのに男にナンパされるとか!!」
大和はニシシと、面白そうに笑った。
コノヤロー……逆ナン経験者には逆らえない…。
大和は背が高いし、顔もいいし、スポーツも出来る。だけど勉強が出来ないってとこが、女子のツボらしい。
「しっかし、お前なんでそんなに可愛いカッコだよ」
「はぁ!?可愛くねーよ!!!男もんだけど!?」
僕は自分のパーカーをバッと見せた。
「いやいや、服のチョイス!女子みたい」
「なんだと!?」
そう怒鳴りながら、大和の服を見る。
デニムのジャケットに、中は白のTシャツ。
膝までのカーキのズボンが、焼けた肌をよく見せている。
それが似合うのはやっぱり、大和がイケメンである故に────。
僕の服とは正反対……。
その事実に項垂れていた僕に、大和はくしゅっと頭に手を載せた。
「ん、何?」
「んーん。可愛いなって」
大和は嬉しそうに、ほんとに愛おしそうに頭を撫でるから、顔が赤くなりそうだ。
頬に集まる熱を紛らわすように、取り敢えず大和の腹にストレートパンチ。
「おうふっ……!!」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
91 / 189