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「……きたねー部屋だな……」
毎度毎度、大和の部屋はかなり散らかっている。
もう呆れて溜息しか出てこない。
床に散乱した雑誌。ぐちゃぐちゃのTシャツたち。ベッドからズレ落ちた布団。机の上は教科書とノートで埋まっている。
なのに、筋トレ道具だけはキチンとしてるのな……。
「片付けよう」
何回も大和の家には来ていて、その度に僕が片付けをしている。
大和の部屋の物はきっと、大和より知ってるんじゃないか?
服は洗濯するものと、かけるだけでいいものにわけ、布団は丁寧に敷き直し、机の上の教科書は、折角あるのに使われていない本立に教科ごと揃えて並べる。
あとは雑誌────
陸上の雑誌ばかりが放り出され、その表紙には僕でも知っている陸上選手が撮られている。
ほんと、陸上バカだな。
一冊一冊を手に取って、揃えていく。
一体何冊あるんだか……
「あ、ベッドの下にも入ってる。どんだけだよ、ったく、」
屈んで見えたベッドの下に、二冊の雑誌。
それを腕を伸ばして引っ張り出した。
「え……」
手に取った雑誌の表紙は、黒人の陸上選手ではない。
いや、なんか、あの……黒っていうか……肌色の世界が────
表紙に映るのは、黒い清楚なロングヘアーに、あの、女性の……たわわな……胸……が、はみ出した白の水着…………の…………
これって……あの……かの有名な……『エロ本』だろ……?
や、大和もこういうの見るんだ────
いや、そりゃあ健全な男子高校生!!え、エロ本だって!!……エロ本……だって……。
泉裕太……17歳……。
初めてエロ本を見ました…………。
見慣れない肌色の世界に、僕の頬は熱を集める。
両手で顔を覆うが、指の隙間から……
あれ……折り目……ついてる……
そこでふと、大きく折れたページを見つけた。
気になる……。
ほかのページはピンとのびてるのに、このページだけ……。
僕の好奇心は、指に伝わり、そのページを開いた。
「う……わ……」
目の前に広がる、表紙以上の肌色。
茶髪のショートカットの女の子。
黄緑色と白の下着は、はだけて────
「ん?」
なんだろう……勘……なんだけどさ……
なんだろう……この女の子…………
「僕に似てる気が…………」
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