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97〜大和目線〜
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『ちっさ』
『なっ!!う、煩い!!』
あ、口に出しちゃった。
さっきは見上げてたから分からなかったけど、裕太は本当に小さい。
俺が今180だから、多分コイツ160……?
見下ろして、首が痛くなる程に小さい裕太は、『でかいと威圧感あって嫌なんだよ!!ていうか、思ったことは心に閉まっとけ!!』
とか、文句を俺に投げかけている。
なんか……小型犬みたいな感じだな────
『チワワ……いや、ポメラニアン……?』
『何の話だ』
とにかく、高校で最初に出会ったのが裕太で、最初に友達になったのも裕太だったんだ。
**********************
裕太と一緒にいるのが日常になった五月。
ゴールデンウィークがあるという事で、裕太を家に呼んでお泊まり会をした。
昼間は裕太だけじゃなくて、数人、クラスの奴らを呼んだ。
五、六人で菓子パーティーとかゲームとかで遊んで、夜は俺と裕太だけだった。
『本当に泊まって大丈夫?』
『親は旅行行ってんだから気軽にしろって。あ、晩飯が買ったものなのは勘弁な』
『別にいいって。』
俺の両親は、いい年してラブラブのおしどり夫婦だから、見てるこっちが恥ずかしいぐらいベタベタの仲良しだ。
今回はヨーロッパに旅行だとさ。
金だけはあるんだよな……。
『さ、何する?』
まだ7時だ。
風呂はもう入ったし、ゲームをやるのもなぁ……。
『あ、テレビ見たい。今日特番の面白そうなのあるんだ〜』
『お、ええよ』
リビングに移動し、テレビのリモコンを見つけた裕太はそのまま後ろのソファーに座った。
スウェットを着てくつろぐ裕太は本当にうちの子みたいだ。
『え〜とね…8番……』
俺も裕太の横にどっかり腰をおろす。
二人用のソファーだけど、裕太は小柄だから少し隙間が空いた。
その隙間が俺と裕太の間にあるのがなんとなく嫌で、俺は裕太の方に寄り、左側を少し空けた。
『あ、これだ。これゲスト有森知佳ちゃんでてんの』
『え、お前あーゆーのタイプなの?』
『ううん。俺が好きなのは────って、そうじゃねぇよ!!』
そんな他愛ない話ばかりで、気づけば時刻は9時近くだった。
『裕太、どうす……』
ぽすん
声をかけようとした時、何かが肩に寄りかかる。
まぁ、勿論それは裕太なのだが。
『うわ…。寝てやがる……』
小さい顔は、瞼を閉じて尚更幼くなり、スースーと寝息を立てているから本当に子供だ。
『ん……』
え、ちょ……
少し寝苦しそうにした裕太は、少し眉根を寄せて顔をしかめたら、今度は頭をグリグリと肩に擦り付けてきた。
その仕草がとっても愛らしく思えてしまい、心臓がキュンっとなった。
『かっわいい……』
無意識に発した言葉には、俺は責任が持てねぇよ。
だって、可愛いんだもん────。
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