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ビギナー14
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(片桐先生語り)
紘斗が入浴した直後ぐらいから、そわそわして落ち着かない。気を抜くと触れてしまいそうな白いうなじを悶々と眺めていた。同じシャンプーを使っているのに、他人が使うと、こうも興奮する匂いに変わるのは何故だろうか。
彼の素直な反応に、溢れてくる愛おしさを必死に抑えている自分がいた。純粋なものを俺色に染めたくてしょうがないが、ほんの少しだけ教師の部分が残っていたらしく、俺を惑わせていた。そんなものがあったのかと、顔を出した背徳感にいささか驚いていた。
ぶかぶかな俺のスウェットを着て、子供の頃に飼っていた兎みたいな目をしている紘斗を、自分の欲望に任せて触れることができない。せめて紘斗が精神的に落ち着いた時にしようと、感情を飲み込んだ。
生徒へ手を出すことに躊躇ったのは彼が初めてだった。もはや、男だとか、女だとかの概念が俺には無くなっていた。
ワザと引き離して別で寝ることを促した。小1時間ほど簡単な事務仕事をして、頭を冷やしてから、客室で寝ているであろう紘斗を確認しに行ったが、いない。
慌てて隣の寝室に行くと、俺のベッドですやすやと寝ていた。
おい……無意識か、それとも確信犯か?
ベッドサイドに座り、寝ている紘斗を見ながらどこで寝ようか考えた。
客室か、このまま自分のベッドに入るか。
寝ている相手に欲情するほど俺は飢えてない。落ち着きを取り戻したので、紘斗の隣で横になることにした。
朝起きたら恥ずかしそうに驚く紘斗が楽しみだ。そうしたらちょっとイタズラでもしてやろう……そう思っていた。
「うぅ……だれかっ、だれか……助けて……はるまっ……せんせい……」
少しして、紘斗が明らかにうなされ始めたのである。眉間にシワを寄せて、涙を浮かべていた。苦しそうに俺の名前を呼んでいる。
「紘斗、紘斗……おいっ……紘斗。」
慌てて枕元のルームランプを付けた。名前を呼ぶと覚醒しそうだったので、今度は腕を引っ張り、上体を起こして体勢を変えた。
目を開けた紘斗が強い力で俺にしがみついてくる。ふわりと柔軟剤の香りがした。
「せんせ、寂しかった。誰もいなくて……うぅ……」
「大丈夫だから。大丈夫、俺はここにいるよ。」
大丈夫だよ、と背中を摩りながら何度も呟いた。過呼吸気味にヒクッヒクッと嗚咽を漏らしながら泣いたのち、紘斗の目がそっと開く。
様子を伺いたくて覗くと、涙で濡れた顔が再び歪んだ。もうこれ以上泣き顔を見たくなくて、無意識に口で塞ぐ。3日前も、今日も、泣いてばかりで笑った顔を見ていない。
「俺の目を見てゆっくり深呼吸してごらん……」
「ふぇ……ん……ふぅ……はぁ……」
最初は触れるだけのキスで緊張を解すように、涙もついでに舐めとる。くすぐったいみたいで溜息に似た笑い声が耳に入り安心した。鼻声だけど、確かに笑った。
紘斗を横に倒して、もう1度長いキスをした。小さい口からは、可愛い舌が一生懸命俺を求めている。触れている冷たい頰も柔らかい。身体を密着させて、舌先を絡めながら口内を舐め回した。時折震えているのが、堪らなく可愛い。
決して上手いとは言えない口づけも、俺に火を付けるには十分だった。さっきまで我慢していた全てが水の泡となり消えて行った。
上衣の中に手を忍ばせて、しっとりとした肌を撫でる。キメが細かく、掌に吸い付くようだ。その流れで、胸を揉みながら乳首を少し摘む。脂肪の塊は無いが、辺りは柔らかく適度に肉のついた身体だ。小さい突起へ刺激を与えるたびにもぞもぞと身体を動かしながら声が漏れるので、嫌ではないようだった。
漏れる声も徐々に嬌声に似た響きへと変化していく。
「ふぅ……ぁ、ん……ぁぁ……やぁだぁ……ぁ、ぁ……」
半分寝ていても、快感だけはしっかり拾っているようだった。
俺色に少しづつ染めていくのが、楽しみでしょうがない。
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