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放課後レッスン1
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(片桐先生語り)
俺は女に不自由をしたことがない。
『来るもの拒まず、去る者追わず』が座右の銘で、物心ついた時からいつも側に女が居た。教師になってからは生徒という名の女が多数寄ってきた。大抵は適当にあしらうが、好みだった場合は相手にする時もあった。
南高校に赴任してきて、まず好みの女子が少ないことにホッとした。清楚系は遊びで付き合うと後からとんでもないことに巻き込まれる率が高い。俺にだって良心の呵責はあるので、なるべく関わりたくなかった。
それでも時々つまみ食いをしているところを何度か熊谷に見つかり、咎められていた。
それに俺は今まであまりホモに出会ったことがない。はるか昔の学生時代にそれっぽいクラスメイトがいた気もするが、そいつの名前すら覚えていない。興味も無かった。
だから、同僚の恋人が男だと聞いた時はかなり驚いた。熊谷は普通に女にモテるだろうし、どうして男なんだ?と疑問に思ったが、本人に会って納得ができた。
葵君は別格だった。
もしかしたら葵君なら抱けるかもしれないと思ってしまう自分がいた。
熊谷が大切にしてきた男の子だろうし、手を出したらどんな目に遭わされるか分からない。奴の怖さは色々と目視してきた。
次第に同性愛というものへの偏見が薄れ、興味が湧いてきた。
年上、年下、ギャル、OL、人妻、女子高生、モデル、熟女、同僚……ありとあらゆる女は一通り体験したので、飽きていたのかもしれない。男同士の恋愛は本当に成立するのか気になるようになった。
あくまでも興味がある程度だが。
「片桐先生、失礼します〜。今日も来ちゃいました。バイトまで待機させてください。」
熊谷に言われてから、神田が週に2、3度国語準備室に来るようになった。
大抵は宿題をして、少し話をして帰っていく。時々、時田先生にセクハラをされたと文句を言っている時もあるが、穏やかな時間が流れていた。時田先生もしつこいようで、まだ神田に構っている。
ホモは俺が気付かないだけで身近にいるものらしい。
しばらくして準備室のドアがノックされた。神田以外に来る奴はいないはずだ。誰だろうか。熊谷も会議だ。
「はい。どうぞ。」
「片桐先生、おヒマですか?良かったらお茶しません?美味しいクッキー貰ったんです……」
入り口には、一度だけ寝たことのある既婚年上の竹下先生が立っていた。それ以後、誘われても断って来たのだが、業を煮やして自らやってきたらしい。察しない面倒臭い女だ。
竹下先生を見た途端、神田の顔が驚いた後、唇を突き出し怒ったような表情になる。
それが……可愛く思えてしまった。
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