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〈生徒会室〉と書かれたドアの前。どこか重厚感のあるドアにノックするのを躊躇ってしまう。
(初めて入るから緊張する……)
ドキドキしながら思い切って三回ドアをノックした。
「はーい。入っていいよー」
聞こえてきた声にドアを開けて中へと入る。
「うわ……」
ひろ!
まるで洋風のホテルみたいな造りで、天井にはなぜかシャンデリア。
(え、ここ学校だよな?)
なんて思いながら人の声がする方へ歩いてく。
「桜姫祭りの衣装選びか?」
「あ、はい。一年三組の未月です」
窓際の中心にある大きめの机には生徒会長と書かれた札が置いてあって。会長の、桜木先輩がいた。
相変わらず大人びた雰囲気……。ちょっと怖いから苦手なんだよな。
会長は全校集会や学校の行事でよく見かけるから知ってるけど、この人は……。隣にいる人をチラリと見たらバッチシ目が合ってしまった。
「下の名前はなんて言うの??」
「え、えっと、悠季です」
「じゃあ、ゆーくんだねっ」
いきなりあだ名!?
しかもいっきに距離を縮められて、両手をぎゅっと握られる。
桜木先輩とは違って笑顔が絶えず、なんか可愛い? 感じの人だった。緋結や菜由とはまた違う感じの。そう思
うのはピンク色の髪色をしてるからか。
「はぁ……、未月が困ってるだろう。みずき」
「えー、そんなことないよねぇ?」
「え、ぇえっと……」
返答に尚更困っていると、〈みずき〉と呼ばれたその人が悪戯っぽく笑う。
「ゆーくん、なんかイジメたくなっちゃうな♪」
「え!?」
い、いじめっ……!?
「あはは、可愛いって意味だよ?」
あぁ、なんだ。そっちの……って、良くはないけど!
(てか、この人めちゃくちゃ対応に困る!)
そんな俺を知ってか知らずか、頭撫でたりベタベタと体を触られる。
「? あれ、このバンソーコー何?」
っ、しまった!
痕を隠すために貼った首の絆創膏を見られて、慌てて隠す。
「ちょ、ちょっとケガしただけですっ」
「……ケガって、「そこまでにしろ。バカ」わっ」
引っ付いていたみずき先輩の首根っこを掴んで桜木先輩が離してくれた。
た、助かった……!
「もう、りゅーちゃんジャマしないでよっ」
「お前な、初対面な上に自己紹介もまだだろう」
呆れたように溜め息を吐く桜木先輩の言葉に思い出したのか、みずき先輩がばっと俺に振り返ってきて。
「そうだったね! 遅れたけど、僕浪江みずき。副会長やってるんだ☆ よろしく、ゆーく、ぐぇっ……」
また抱きつこうとしてきた浪江先輩をさっきと同じように阻止してくれた桜木先輩。
す、すごい……。先を読んでる。
「りゅーちゃ「未月、衣装はこっちだ」」
「あ、はいっ」
文句を言ってる浪江先輩を引きずったまま、歩き出す桜木先輩の後ろを着いて行く。その間も掛け合いは続いていた。
(この二人、全くタイプ違うけど仲良いのだろうか……)
「ここだ」
生徒会室の奥の部屋を開けると、ズラーッと並んだ男子校には絶対無いはずの女性用の服たち。
(しかもなんかすげぇのもある!)
「す、すごい、ですね……」
「ふふ、露出系から園児服まで色々あるよー」
園児服!? それはもう女装ですらないじゃん!
「好きなのを選んで構わないから」
好きなのって言われても……。
ハンガーラックに掛けられた大量の服を何着か見る。そこには季節外れの水着やほぼ素肌が見えるような服が並んでいた。もはや服じゃない……。
「あ、当日は校内ガンガン暖房入れるから水着でもオッケーだよ♪」
それに床暖完備だからね! とそんな情報笑顔で教えられても絶対選ばないです、浪江先輩。
にしても着たい服が見当たらない!
どうしようか悩んでいると、浪江先輩が何着か手にしてきた。
「これなんかどう? ゆーくんにピッタリじゃない??」
「っ……」
先輩の手にはパンツが見えるんじゃないかってくらい短いスカートにウサミミ付きのバニガール。それに、乳首しか隠れない程の小さい水着。下半身なんてTバックだった。
(こんなんで歩いたら捕まるレベルだろ! そもそもこれ選ぶ人いるのかよ……)
「ぜ、絶対嫌です!」
「えー」
慌ててガシャガシャと服を掻き分けて、とりあえず肌が見えないのを探す。
このまま悩んでたら浪江先輩に決められそうだからな!
(えっと、あ……これなら!)
「俺、これにします!」
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