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廊下を下りて一階の多目的教室に入る。ドアを閉めたところで俺は掴まれている腕を振り払った。
「何すんだよ! あんな「へぇ? じゃあ何。アイツらにヤられたかったわけ?」っ、」
俺の言葉を遮って、ドアに手をついてくる流木。
(うぅ、これじゃさっきの先輩がコイツに変わっただけじゃん! しかも絶対こっちの方がタチ悪いしっ)
「そんなわけないだろ! バカ!」
好き好んで男に襲われたいなんて思わない。
(さっきの、キスだって嫌だったのに)
目の前の流木を睨み上げると小さく息を吐かれた。その瞬間、不機嫌だった顔が呆れたような表情に変わる。
「……泣くくらいなら一人になんな」
「な、泣いてない!」
「震えてるくせに」
「っ……」
図星をつかれて何も言い返せなくなってしまう。
今更恐怖が襲ってくるとか情けな……。
自己嫌悪に陥りながらゴシッと手の甲で目もとを拭う。
「悠季、」
「あっ……」
その手首を掴まれて、腰を抱き寄せられるとまた唇を塞がれてしまった。
「ふ、んんっ……」
でもさっきよりずっと優しいそれにされるがままになってしまう。
(なんで、俺コイツだと──)
くちゅくちゅと舌を絡めながらそんなことを思う。嫌いな奴なのに、嫌悪感も拒絶も起きないのはなんでなんだよ。
何度考えてもやっぱりわからない。
「はっ、ん、もうっ……」
「無理」
「んんぅっ」
それでも息が続かなくて顔を背けたけど、そう一言だけ言われてまた塞がれてしまう。
「ふ、ん、んーっ……」
(あっ、でちゃぅ……!)
舌を強く吸われたと同時にビクンと体が震える。片手で抱き抱えていたチラシがバサバサと落ちていく。
「は、ぁ、流木っ」
空いた手でぎゅっと流木の腕に抱きつくと久しぶりにあの香水の香りがして。追い討ちをかけるようにびゅくびゅくと下半身を濡らしてしまう。それがポタポタと床に落ちた。
(も、さいあく……。これから桜姫祭りあるのに)
それに、チラシだって、
なんて余韻の中でそんなことを思ってる俺を他所に、コイツはその場にしゃがみ込んだ。
「な、なに……」
「キレイにしてやるから、じっとしてろ」
そう言って、コイツはあろうことかスカートに顔を突っ込んできた。
「ちょ、流木!?」
「へぇ、白のレース? お前の趣味?」
「違う! 生徒会の、浪江先輩が選んだヤツ」
「は?」
まさかパンツまで女子用とは思わなかった。どうせ見えないから自分の穿くって言ったのに浪江先輩は『チラ見した時が萌えるんだよ!』とか言って折れないし。
結局押し負けてしまった。
「お前、浪江と会ったの?」
「? うん。服選びに生徒会室行ったから」
それがどうしたんだろ。てか、コイツ先輩のこと呼び捨てかよ……。
「見せた? コレ、」
「ぁっ、見せてないっ……」
さすがにそんなとこ見せられるかよ! 浪江先輩はなぜか見たがってたけど桜木先輩が止めてくれて助かった、って言う話は言えなかった。
コイツがパンツ越しに俺のを咥えてきたから。
「ひっ、ぁ、あっ……ゃだ、りゅうき!」
ジュルジュルと舌を這わせながら玉ごと吸い上げてくる。
その肩を押し返すけどビクともしない。
(も、やだぁ……こんなの、絶対おかしいっ)
頭の中で否定する。
今の状況も、コイツとの関係も。全部。
だって、そうじゃなきゃ──
「……悠季、」
「ぁっ、かっこい……」
俺のから口を離して、下から見上げてきた流木。その頬に手を当ててとんでもない一言を口走っていた。
「……は?」
(え!?)
コイツも驚いたのか、数秒おいて聞こえてきた声に俺は我に返る。
俺、今なんて言った!?
「ゆう「な、なんでもない! さよならっ」っ、」
思いっきり流木の肩を押して、背後にあったドアから猛ダッシュで逃げ出す。
(最悪! ほんとに最悪だ!!)
「っ、俺のバカ!」
絶対アイツにも聞こえてたじゃんかーっ。
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