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それがここ、保健室に来るまでの一時間の間で起きた話。
「すいません。いきなり来て……」
さすがに学園祭の日にまで迷惑だよな。でも、もうここしか……! 何よりこんな格好だしっ。
「別にいいのよ。それより何かあったの?」
「え、えっと……」
千倉先生に聞かれて言葉が詰まってしまう。
(色々あり過ぎてどう説明したらいいのか……!)
俯いて悩む俺に菜野先生が口を開いてきた。
「もしかしてエスコートの相手いないんですか?」
「え!?」
菜野先生が口にした言葉に千倉先生が驚く。
「未月くん、桜姫祭り出るのよね? 流木く、じゃないわ……。エスコートはどうしたの?」
「いないです。俺、そんな付けるまでもないし」
今思うとちゃんと探しておけばよかったと後悔しかないけど。
(そしたら絡まれなくて済んだだろうし。アイツにだって
、あんなこと……)
思い出しそうになって慌てて頭を振る。
あれは言葉のあやだ! 絶対そうっ。
「あなたね……」
「付けないと危ないですよ! 襲われたりなんてしたら、」
「だ、大丈夫ですっ」
息を吐く千倉先生とは逆に、心配してくる菜野先生に慌ててそう返したらまた一つ息を吐かれてしまった。千倉先生に。
「大丈夫じゃないからここに来たんじゃないの?」
うっ。
図星をつかれて俺は黙ってしまう。
「誰に襲われたの?」
「それは……」
流木です、と即答したかったけど別の先輩たちから助け出して? くれたのもあって言えなかった。
(その後は似たような被害にあったけどな)
「ち、千倉先生。誰かなんて言えないと思います。未月くん、まだ恐怖心があるでしょうし……」
菜野先生……!
助け舟を出してくれた先生に涙が溢れそうになった。
「はぁ、まったく。あなたは少し自覚を持った方がいいわ」
自覚?
「桜姫祭りは私が一緒に出てあげる」
「え、いいんですか!?」
まさかの千倉先生の言葉につい声が大きくなってしまう。
さすがに一人で出るにはちょっと怖かったから凄く心強い!
「襲われた子を一人で野獣の群れに放つわけにはいかないでしょう」
野獣……。それ以上に魔王(一人)の方が俺には強敵過ぎて怖い。
でも千倉先生が一緒なら安心かも。ただ、
「先生は大丈夫なんですか? 襲われたりなんか……」
女性な上に今日の服もスラリと長い足が見える黒のタイトスカートのワンピースで。胸の中心にチャックが付いてある。
しかも白衣も着てるからか、色々溢れ出てるオーラが心配になってしまう。
「あはは、大丈夫ですよ。未月くん、千倉先生はっ……」
「え、菜野先生!?」
いきなり足を抑えて蹲る菜野先生に近寄ろうとしたら、千倉先生が笑顔で前に出てきて。
「ちょっと足をつったみたいだから気にしなくていいわよ」
「で、でも……」
すげぇ痛そう……。
「それよりも私のことより自分の心配してなさい。桜姫祭り始まるまで休んでていいから」
「そ、そうです。ベッドも空いてますし……」
千倉先生に肩を抱かれながら、ゆっくりと立ち上がった菜野先生の脇を通り過ぎてベッドに案内される。
(大丈夫かな、菜野先生。涙目だけど)
「じゃあ僕が保健室残ってますね。千倉先生は学園祭見てきて下さい」
ベッド周りのカーテンを閉めようとした時、そんな会話が聞こえてきて手が止まった。
「あ、あの菜野先生も行ってきていいですよ。俺、休ませてもらうだけなんで」
先生たちも楽しみにしていたはずの学園祭。山奥だからイベント事も少ないし、俺が来たことで参加できなくなるのも申し訳なかった。
「でも、他の子が来たら……」
「ベッドで寝てれば多分わからないと思います」
カーテンもあるから気付かれなさそうだし。それに、学園祭ならケガもしなさそうな気がする。
「わかったわ。じゃあ鍵は閉めていくから私たちが戻って来るまで絶対出ちゃダメよ」
「千倉先生、いいんですか?」
「あの子たちに顔出すって約束しちゃったのよ。菜野先生、あなたもでしょ」
「あっ……」
思い出したように声を上げる菜野先生。
それなら尚更行かないとじゃん! 先生たち、話しやすいから人気なんだろうな。よく校内で色んな生徒と話してるの見かけるっけ。
「不在の看板もドアに掛けておくわね」
「はい。ありがとうございます!」
「それじゃ、ゆっくり休んで下さい」
先生たちを見送って、俺はカーテンを閉じると靴を脱ぎ捨ててバフっとベッドに横になった。
「……濡れてて気持ち悪い」
気付かないふりをしていたけど、アイツの唾液と自分が出したのでぐちゃぐちゃに濡れたパンツに嫌悪感を覚えてしまう。
しかも、逃げ出してきたせいで中途半端に疼いてる熱。一人になった途端に辛くなってくる。
「ん……っ」
うつ伏せに倒れ込んだからか、下半身がシーツに擦れて微かに声が漏れてしまった。
(ヤバい、俺、また……)
前回のこともまだ後悔が拭い切れていないのに、もどかしさからぐっぐっと腰をベッドに押しつけてしまう。
「ぁっ、あぁ……!」
アイツのせいだ。アイツの──、
「ふぇっ……ぁ、ンん! ゃ、や……っ」
流木の顔と、あの匂いを思い出した時。
俺はベッドに擦りつけながら呆気なく達してしまっていた……。
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