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あーぁ、まさか夏休みにもコイツに会うなんて思いもしなかった。
せっかく会わないように家に帰って来てたのに。
そんなことを思いながら、横にいる流木と距離を置いて歩く。
緋結はいつの間にか俺から離れて伊咲先輩と仲良く前を歩いていた。
「…未月」
「っ…!」
いきなり腕を掴まれてビクッとしてしまう。
「な、なんだよ!急にっ…」
離れて歩いてたはずなのにすぐ傍にいるし!
「離れすぎ。迷子になるだろーが」
なんだと!
「ならねーし!離せよっ」
腕を振り払おうとしても握ってくる力が強くて無理だった。
「どうだか。そうなったら探すの面倒くせぇだろ。余計な事で疲れたくないしね」
この野郎…!
「別に探してくれなくていい!つか、誰がお前なんかにっ」
そんなこと頼むかよ!
「悠季くん、れいちゃーん!はやくー」
ちょうど緋結の呼ぶ声が聞こえて俺は一瞬緩んだ流木の手を振り払った。
「い、今行く!」
コイツから逃げるように緋結と伊咲先輩の元へ走った。
屋台でたこ焼きやお好み焼きを買って、運良く場所も見つかった。
「もうすぐ始まるよ!楽しみ〜」
「うん、楽しみだね。緋結」
買ってきた物を食べながら早く始まるのを待つ。
隣の緋結たちは楽しそうにそんな会話してるけど俺と流木は一切話さない。
空気すら重い。
「…俺ちょっとトイレ行ってくる」
「えっ、もうすぐ始まるよ?」
「その前には戻って来るから」
緋結にそう言って俺は人混みの中を歩いてく。
あと少しでも沈黙が辛すぎる…!
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