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(体、熱い……)
何か言いたいのに頭が回らない。初めて感じる気持ちよさと残ったままの余韻に浸ってしまう。
「甘いね。お前の」
「っ、そんなの舐めんなよ!」
聞こえてきた声に顔だけ振り返ると、手に付いた白濁を平然と舐めとっていた。
絶対汚いだろ!
「糖分取り過ぎ。重いんだよ、チビのくせに」
はぁ!? なら、おろせ!
「うわっ」
言い返してやろうとしたら体を反転させられて、向き合う形になる。今度は腰に腕を回された。
「…………………………」
「な、なんだよっ?」
無言無表情で俺を見下ろしてくる目の前の男に意味もなくドキドキしてしまう。
よく見るとすげぇ整った顔立ち。襟足と耳周りが長めの黒髪にトップ部分は自然と立たせてあって。目元まであるM字型の前髪からは冷めた目が覗いていた。
なんか、雑誌に出てそうなほどのイケメ「童顔だね。知識もだけど。まだランドセル担いでた方が似合ってるぜ、お前」
前言撤回!! 中身は最悪だな!
ふっとバカにしたような笑みに怒りボルテージが急上昇した。
「入学する学校、間違ったんじゃねーの? 小学校行けば」
トドメの一言に頭の中のボルテージが一気にマックスになる。……いや、もう突き抜けた。
「間違ってねぇよ! お前が行けばいいだろっ」
なんで初対面の奴に下半身触られた挙句、こんなこと言われなきゃいけないわけ!?
「もう離せ!」
これ以上関わり合いたくなくてコイツの肩を押す。
でも、なぜか腰に回された腕に力が入った。
「無理。遊ばせろって言ったでしょーよ」
(なっ、コイツまだ……!)
ムカつく笑みを浮かべたあと、また下を向いていた俺のを握ってきた。
「やめっ、ぁ……っ」
変な声が出る前に両手で口を塞ぐ。睨みつけても目の前の男はどこか楽しそうに皮? が被った先端をさっきと同様にくちゅくちゅと擦ってくる。
「ふ、ンんっ……」
「皮の中に精液溜まってんね。わかる? 精液って」
「それくらい、しって……ぁっ、や!」
い、いちいち耳元で喋んな!
時たま耳朶を甘噛みされて体がゾクゾクと震えてしまう。
「ほら、見てろよ」
その言葉に下を向くと、コイツの指が皮を下に引っ張っていく光景が目に入ってきた。
「──っ、ぁ、やだ……やめろよ!」
(い、いた!)
剥かれる感覚は痛みしかなくて。口を抑えていた片手でコイツの手首を掴む。
「何? もっとして欲しいって?」
んなわけあるか! バカなの、コイツっ。
「違う! もう、やめろよっ……。昼休み、潰したことは、悪かったから……」
語尾に向けて声が震えてく。悔しくて涙が溢れてきた。そうならないように耐えてたのに。
なんで、こんな見ず知らずの奴にここまでされなきゃいけないんだよ。俯きながら血の味がする唇をぐっと噛み締めた。
「…………………………」
「……な、なにっ、」
顎をとられて上を向かせられると、何を考えてるか全くわからない目と視線が合う。
けど、口端を上げたコイツの口はとんでもないことを言ってきやがった。
「お前、泣いてる顔が一番可愛いね」
もう言葉の意味を理解するのに数秒かかった。
「……血、出てる」
「ぁ、やめっ」
コイツのムカつくほど整った顔が近付いてきて、唇がギリギリ触れそうになった時。予鈴のチャイムが鳴った。
「は、離せ!」
一瞬止まった隙をついて、コイツの膝から下りる。
慌ててパンツとズボンを穿き直した。濡れてて気持ち悪かったけど……。
「出てけよ! はやくっ」
出て行こうとしないコイツにドアを指差しながら言う。俺から出て行くのはなんか負けた気がして嫌だった。
「……はいはい」
一つ息を吐いてから怠そうに立ち上がる。俺の前を通り過ぎた時、またふわりといい香りがして。ついドキッとしてしまう。
そんな俺にコイツは振り返ってきた。
「もう覗きなんてすんなよ。あと、ちゃんと皮剝かねぇと包茎になるぜ」
「っ! 覗きじゃねーし、お前に関係ないってば!」
俺がそう言ったと同時にコイツは出て行った。バタンとトイレのドアが閉まる。
……最悪だ。本当に最悪!
「てか、何なんだよ…」
こんな事ってある? 男に触られるなんて。しかもこれでもかってくらい、失礼なことばっか言われた。
(下半身はまだ痛いし……)
とりあえず涙を手の甲で拭うと、一人残った俺に虚しく本鈴のチャイムが鳴り響いた。
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