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デジャヴ
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寮に着いた俺は鞄を床に放り投げて、ベッドにバフンとうつ伏せに倒れ込んだ。
(なんかもう色々疲れが……)
久々の一人、ちょっと嬉しいかも。緋結と一緒が嫌なわけじゃないけどやっぱり一人の時間も大切だなと思う。
にしても、なんでこんな事になったんだ。改めて振り返ると北桜に入学した事自体が間違いだったのかもしれない。今更後悔しても遅いんだけどさ。
「やっぱ、共学にすればよか、た……」
連日の寝不足のせいで、重くなる瞼に抵抗しきれず。そのまま深い眠りへと落ちていった。
「……んぁ」
ヤッベー……寝すぎた……。
まだ五月中旬。山奥にあるここは気温が街よりも低い。毛布も掛けずに寝ていたせいで寒くて目が覚めた俺は制服のポッケから携帯を取り出した。
日も落ちて真っ暗な部屋を月明かりが照らしていた。
「一時……」
もう深夜。俺、何時間寝てたんだ、一体。
「あー、風呂入りに行かなきゃ……」
確か二時まで開いてたっけ。
一人部屋だと風呂付いてるけど、二人部屋にはないから大浴場行かないとなのが面倒。大きい風呂は好きだからいいけど、行くまでがなぁ。なんて思いながらも着替えを準備して俺は一階にある大浴場へと向かう。
なんか、よく寝れたからか体が楽。頭もすっきりしてるし。
(何にも考えなきゃいいんだよな、要するに!)
寝てる時は何にも考えてないわけだし。
「風呂入ってまた寝よー……」
結論に辿り着いたと同時に大浴場到着。こんな遅い時間に来るの初めてだ。誰もいなさそう。緋結と来る時は毎回混み合ってるからもしかして今日は貸切風呂かも、とワクワクしながらドアを開ける。と、まさかの人の話し声が聞こえてきて。
(誰かいんのか?)
そう思ってドアの隙間から更衣室を覗く。
「―っぁ、しょぅっ……」
「??」
しょ、しょう……?
「菜由っ」
菜由……!?
「ぁ、あぁんっ……ふかぃよぉ!」
「っ!?」
ちょ、ちょちょっと待って!! えっ、ここみんなが使う大浴場の更衣室だよな!? 目の前で繰り広げられてる行為は何!?
さっき何も考えないって決めた途端にこれかよ! なんて言う俺の心の叫びを無視して、目の前の二人は腰を振る。
「ふぁっ、ぁ、しょ、ンぁ!」
更衣室のロッカーに菜由が背を預けて、将に抱き抱えられるように行為に没頭する二人。
俺は逃げ出したいのに動けず、その場に座り込んでしまった。
(何これ! デジャヴなんだけどっ)
てか、また知り合いかよ!
「菜由、もうっ……」
「あ、ぁっ、ぅん! おれもぉっ、あぁ……!」
グチュグチュとスピードを上げて卑猥な水音が響き渡る。
(見てちゃいけないのに、体が動かない!)
誰か、助け──……。
「お前、何してんの?」
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