アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
蟻地獄
-
「うわっ」
いきなり腕を掴まれてそのまま体勢を崩した俺は流木の膝の上に倒れ込んでしまった。
「急に、何す……!」
抱きつくような格好で俺は慌てて離れようとした。けど、腰に手が回されて離れられない。しかも力強っ。
「離せよ!」
「嫌。お前さ、助けてやって風呂借してやったのに何ただで帰ろうとしてんの?」
はぁ!?
「俺助けてなんか言ってねーし! しかも風呂もお前が入ってけばって言ったんじゃねーか!!」
勝手に色々してきたのはそっちのくせにっ。
だけどコイツは、
「なら最初から断れば?」
そう言って俺を一刀両断してきた。
(前言撤回! コイツやっぱ魔王だ! いい人なんかじゃねぇ!!)
少しでもそう思ってしまった事に大後悔する。
「まぁ、帰りたいって言うならお前が緋結達の見て抜いた事言うけど」
「!!」
ニヤリと笑う無駄に整い過ぎた顔面に苛立ちしか生まれない。俺は悔しくて睨み返した。
「どっちにしろ帰す気ないけどね」
あぁ、俺はとんでもない奴に弱みを握られてしまったようです。
「と、とりあえず離せよ! 逃げないからっ」
コイツの部屋だし、もう逃げようがない。
さすがに密着してるのが嫌で離れようとした。けど、流木の腕の力は弱まらなくて。
「無理。下僕のお前に意見言う権利ねぇから」
「なっ、」
下僕ってあれ本気だったのかよ!
「それと拒否権もな」
「っざけんな! 離せ、バカ!」
思いっきり暴れるけど全く無意味。
なんだこの力の差! めげないけどな!
「逃がさねぇって」
「うわっ……」
いきなり抱き上げられて、そのままベッドへ放り投げられた。逃げる間もなく流木が覆い被さってくる。さっきとは違って、悪巧みしてるような笑みがムカつく!
「な、何する気だよっ」
「まずは、礼言えたお返しでもしてやろーかと思って」
「いい! 要らねぇから離せっ」
「だからお前に拒否権ないんだよ」
そう言って流木はベッド脇の棚に置いてあった制服のネクタイを手にとると、俺の手首を一纏めにしてきた。しかもそれを頭上に持っていかれてベッドの柵に結ばれる。
「何すんだよ!」
「暴れられたら面倒だろ?」
(ちくしょー! 本当ムカつく!!)
キツく縛られたせいで手は抜けないしっ。
「んじゃ、たっぷり可愛がってやるよ」
楽しげに笑う魔王に、俺はこの前の悪夢が蘇った。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
20 / 236