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「こんなところね」
珍しく来客(生徒)が少なく、ずっとやりたかった棚や書類の整理が終わった。
「コーヒーでも飲もうかしら」
それ飲んだあと菜野先生の所に補充の薬届ければ、
──ガラッ。
なんて考えていたらドアがいきなり開いて、息を切らした一人の生徒の姿。
「未月くん」
来るだろうとは思ってたけど、今は五限の授業中。
(てっきり帰りかと思ったわ)
「あ、すいません……! いきなりっ」
ノックを忘れて入ったからか、頭を下げる未月くんを中に入るよう諭す。
「いいのよ。気にしないで」
どっかの誰かさんは毎回しないんだから。
パタンとドアを閉めてもじもじする未月くん。俯いてる顔は赤く染まっていた。
「座りなさい。体、辛いでしょう」
「えっ、」
「聞いてるわ。流木くんから」
「!?」
その名前を出した途端、顔を上げた未月くんが火を噴きそうなほど、より真っ赤に染まった。
(……面白い)
椅子に座る未月くんに冷蔵庫からお茶を出すと、お礼を言ってから一気に飲み干した。それから、真向かいに座った私を見てくる(まだ顔は赤いまま)。
「あ、アイツから何聞いたんですか!?」
まぁ、そこよね。
「そうね……。始業式の日の夜、流木くんから急に電話が掛かってきたのよ。貴方が具合い悪くて休むから、その間保健室に居たことにしてくれって」
「そ、そうなんですか。でも、なんで保健室……」
「貴方と一緒にいた流木くんが面倒みるって言ってたけど、彼の部屋にいたらまた未月くんに嫌がらせしちゃう子がいるでしょ。それを防ぐ為に保健室ってことにしたらしいわよ」
未月くんの部屋で休むこともできたけど、立谷くんと一緒だし。
何より、流木くんが未月くんと一緒にいたかったのね。だからわざわざ電話してきたくらい。まさか三日間もとは思わなかったけど。
(それを許してしまう私も……きっと共犯ね)
「えっと、あとは……?」
「……あと?」
それ以外の何かを聞きたかったのか、未月くんが恐る恐る聞いてくる。
「……特に何も言ってなかったわ」
「そう、ですか……」
ほっとした表情になる未月くんに、私は〈憶測〉で話を続ける。
「大変だったでしょ。流木くんと一緒は」
「え?」
きょとんと顔を上げた未月くんはそんな経験とは程遠い容姿なのに。
襟からチラリと見える赤い痕に相手の独占欲と所有物感を強く感じてしまう。
(体中、至る所に付いてそう……)
また流木くんの意外過ぎる面を見つけてしまった。絶対痕なんて付けないタイプなのに。
「絶倫な上に容赦ないって事よ」
「……絶倫?」
ただ、それが未月くんには分かるはずもなく。
「何でもないわ。私は少し外すけど、ゆっくり休んでいきなさいな」
「あ、はい。ありがとうございます」
「………………………………」
立ち上がってベッドに向かう未月くんの背中を見ながら、三日前の電話を思い出す。
『──保健室に?』
『あぁ。コイツが登校できるまで保健室にいる事にしといて』
『……貴方ね。仮にも先生をズル休みに加担させる気?』
『るせぇよ。頼んだから』
『はぁ……、全く。無理矢理だったら許さないわよ』
『わなけねぇだろ』
ブチッ!
多分、二人の関係は二人だけの秘密。知られたくない理由はそれぞれ違うとしても、共有してるものは同じ。それすらも流木くんからしたら初めての事で、嬉しいのかもしれない。
(……あの子にもそんな気持ちがあったなんてね)
「それにしても、気付かないふりも大変だわ」
菜野先生にコーヒーを煎れてもらう事にして、寮の保健室へと向かった。
────────────────────────
……パタン。
ベッドに横になると、カーテン越しにドアを閉める音がして。一人になったことに少し安心した。
「はぁ……」
(良かった……。アイツ、余計なこと言ってなくて)
三日間も、あんなことしてたってバレたらマジで学校にいられなくなる!
好きあってるならまだしも、嫌い同士なのに絶対おかしい。
……って、俺、嫌われてるからなんだった。ほんと惨め。
抵抗すら出来ないどころか、思い出しただけで──。
「んっ……」
ズクんっと疼く下半身に、俺は体をうつ伏せにさせる。
そんな所を触らないように両手でぎゅっと枕を抱き締める。
(治まれ、治まれっ)
そう思ってシーツに下半身を押し付ける。
だけど、
「ぁっ、ンん……!」
ズリっとパンツとズボンを穿いたままで、シーツに擦れて治まる所か余計に気持ちよさが倍増してしまった。
(ど、しよ……っ)
「ふぇ……、ん、んっ」
やめなきゃ、と思うのに少し固いマットに擦りつける度変な声が出てしまう。
「ぁっ、あ! ゃ、ん、んっ……」
きもちぃ、これっ……。
グリグリと上下左右に腰を振ってしまう。
(あっ、ぁ……だめ、だめ──っ、)
「ん、んーっ!」
数回擦りつけた後、俺は枕を抱き締めてパンツの中をぐっしょりと濡らしてしまっていた……。
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