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私(15)
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遠回りではありましたが、先生は少年の名前の事を仰っていたのです。
「百合…ですか。」
横目で少年の顔色を窺います。
不服そうでも、嬉しそうでもありませんでした。
「しかし…花の名前など、女みたいではないですか。」
一応、少年に代わり、私が抗議します。
逆らうことは出来ませんが、あらすじや登場人物について話す場合は別です。
忌憚のない意見を言いなさい。と言われております。
なので、その時ばかりは、得意になって私は意見するのです。
今回の抗議もその延長のような物です。
「うむ…そうだな。」
先生の態度もその時と変わりありません。
「では、ユリオだ。」
そして、いつも通り私の意見などあまり取り入れてくれる気はないようです。
「だそうです。よろしいですね、ユリオさん。」
私の諦めが伝わるように、少年に目を向けます。
少年は素直に一つ頷きました。
今から彼はユリオです。
名前を付けたと言う事は、本当に先生はこの少年をここに置くつもりなのでしょう。
「ユリオには、お前の身の回りの世話をさせる。」
当然のようにそう言い放ち、先生は再び蕎麦に取り掛かりました。
とんでもないことを、当たり前の様に言うのはいつもどおりですが、どうも慣れません。
私達が昼食を再開するまで、少々の時間を要しました。
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