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私(63)
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しかし、私が冷静であったかと言えば、まったくそんなことはありません。
一体、何をしてしまったのか。
と、ひどく混乱しました。
どれくらい、この体勢のままでいたでしょう。
下半身が少し冷えてきました。
「も…大丈夫です。」
そう言うと、ユリオが身体を起こしました。
とてもそうは見えません。
「しかし…」
病人と見紛う程憔悴したユリオの身を案じ、視線を移して見ましたが、ユリオは手のひらでそれを遮りました。
「大丈夫です…」
目元を掌で隠したまま、ユリオは立ち上がろうとしました。
足がまだ小刻みに震えており、力を入れる事も難しそうです。
「言ってくれれば、私が必要な物を用意してこようか。」
耐えかねて、そう尋ねると、ユリオはやっと手のひらを外し、私の方を向きました。
月の位置が変わったのか、表情が見えます。
泣いているようでした。
私はそれ以上かける言葉を見つけられずにいました。
「手ぬぐいを…」
申し訳なさそうなその言葉に従い、ユリオが傍に用意していた手ぬぐいを手渡します。
ユリオはまず、黙々と私の腹に広がる粘つきを拭き取りました。
吹き終えると、手ぬぐいを尻に充て、無理矢理に立ち上がりました。
呆気にとられながら、ふらつくユリオの足取りを眺めていますと、そのままの格好で部屋を出て行こうとしております。
私は慌てて後を追い、脱ぎ捨てられた寝巻きを羽織らせてやりました。
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