アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
可哀想な人 (春輝side)
-
自分の仕えた主人が、手癖の悪い人だと理解するのにそんなに時間はかからなかった。
亜輝様には数人のセフレがいた。
恋人、というものを作ろうとしなかった。
2年前に付き合っていた彼女に浮気がバレて別れたきり、恋人を作らずに遊んでいる亜輝様に俺は多少うんざりしていた。
でも、亜輝様がそうなるのにも過去の出来事が関係あった。
亜輝様のご両親は所謂仮面夫婦。互いに愛し合ってなんかいなかった。
そんなご両親は亜輝様に欲しいものは何でも与えた。
ただ1つ、愛と言うものを除いて。
誰にも愛されず育ってきた亜輝様には、
まっすぐに人を愛することを知らない。
亜輝様が人に向ける笑顔も、大抵はつくり笑い。
そんな亜輝様も、大人になって家を出た。
幼い頃から家という場所に、居心地の悪さを感じていたんだと思う。
だから可哀想な人
少なくとも俺は、亜輝様のことは可哀想な人だと思っている。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
60 / 90