アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
春輝29
-
「俺、この前黒田さんと話しして絶対そうだーって思ったことがあるんですよ!!!
ねぇ、黒田さん、貴方ですよね?
あの時の…………『お兄ちゃん』って!!」
いつも表情がない黒田さんの目が少しだけ、
俺に向いているように見えた。
「……………そう、かもしれませんね」
「俺、あの時すごく貴方のこと尊敬してました!
ずっと……憧れだったんです」
亜輝様は何も言わず、ただ無表情で外を眺めていた。
「………憧れてなんか……いけません」
「………………口癖、なんですか?」
「え………?」
「黒田さん、前も言ってました、
俺があのロザリオを差し上げた時もですよね……
“こんなものを持てる存在じゃない”
って、
でも俺はそんなことないと思います、
だって黒田さんは俺を助けてくれたんですもん。
あの時あなたがパンをくれないと俺、
今こうして亜輝様にお仕えできなかったと思うんです。
ありがとうございます」
ちょっと喋りすぎたかな、
でも俺の心からのお礼の気持ちだった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
73 / 90