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過去 1 清瀬side
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清瀬side
俺の担当になった澄乃奏叶。少し小さくて肌が白くスーツを着ていなかったら女と間違えていたかもしれないくらいだった。
俺があいつを初めて見たのはあいつが入社してすぐになるから一年前だ。
よく覚えてないが、なんかの作品がなんとか賞を取ったとかで出版社に呼ばれたので仕方なく行った。
賞は自分の作品を認められたということだから嬉しいが、だからといってこうも騒がれると面倒。
その日も出版社の中は俺の話題でいっぱいだった。新木は俺がそういうのを嫌いってことを知っていたから助け船を出してくれる。そして新木は俺を人通りのあまりないところへ案内してくれた。
「人気作家さんは大変だねぇ」
新木はタバコを吸いながら言ってくる。嫌味なのか褒めてるのか…。
その時男性二人の声がした。
「なんか今日騒がしくね?」
「あーあれだよあれ!清瀬一秀が賞をとったからじゃん?」
「そうなの?知らなかったわ~」
その知らなかった、という言葉は嫌味タラタラの言い方だった。
「まぁどうせ親の七光りとかだろ」
「それな~、実際そこまで小説すごくなくね?」
「俺読んでねぇから分かんねぇわ」
と、ゲラゲラ笑っていた。
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