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?日目。満月。
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「うぐっ…あ…ぐあぁっ…!!」
暗く静かな夜に、彼の声が響く。
「どうしたの!?大丈夫!?」
彼がこちらをゆっくり見る、
部屋は綺麗な満月の月明かりで、薄らと見える明るさだった。
彼の姿は、もうすでに完全に狼になっていた。
自然にぐるると鳴いているようで、意識も狼に近いのかもしれない。
すると、
突然彼は襲いかかってきた。
「なっ…!?なに!?」
「ぐうっ…い…や…っ…だ…うあぁ…」
「大丈夫…?」
頭を撫でようとすると、
ブツッと鈍い音がすると共に、撫でようと伸ばした手が、
手首からぷっつり。
ぼとりと隣に落ちる。
私はしばらく理解ができなかった。
「なん…で…?」
「あ……あ……あぁ………」
それは彼も同じようだった。
「僕は……もう…だめだ……逃げ…て…」
そう告げる彼の目には、大粒の涙が浮かんでいた。
「すごく、美味しそうなんだ…、内蔵を…ぐちゃぐちゃにして…食べたい……」
そう言いながらも彼はボロボロと涙を零している。
「…僕は……、キョウヤさんになら、食べられてもいいよ。」
そうやって微笑むと、彼は驚いた様子で、余計に泣いた。
「そっ…んな…こと…言われたら…止められなく…な…うあ…ぐっ…ぁ…嫌…嫌だ…いっ…あ…あぁ…あああ…うああああああ」
彼は叫びながら、私に噛み付く。
私が最期に見たのは、
大粒の涙でボロボロ泣きながら、私の内蔵を食べている、悲しみに満ちた狼だった。
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