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アホの正体
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初めての料理は
朝食に焼いたトーストだった。
焦がした。
焦げっていうか、炭。
パンってこんなに黒くなるっけ。
いやでもだな、
初めてってのはまあこんなもんだよ。
と自分を慰めつつ
ねぼすけのキヨくんに食べさせた。
自分用のは
いい感じに焼けた。
俺ってばやっぱり天才だな。
「あさひ…これ、苦い」
「甘いもん飲めばいいだろ」
混んでる食堂に行かず
朝食が食べられるなんて
なんて素晴らしい!!
「なんか、お腹痛くなってきた寝るわ」
決して俺のパンのせいではないが
キヨくんのサボりが決定した。
寮を出たとことろで
キーにぃと出くわした。
「おはよキーにぃ」
「あっくん…何したの…まじで。」
あれっ、老け顔が
一段と老けてるよキーにぃ
またおっさんへの階段を一歩登って
若さという階段を三歩下ったんだね…
「あっくん、歯ぁ食いしばれ」
「やっ、やっだあ!キーにぃったら朝から物騒なんだからあ!キーにぃ今日もかっこいいね!!そんなことよりどうしたの?」
あっぶねえええ
ぶん殴られるところだった
今日は盾が腹痛でサボってるから
本気で歯が2本ほどサヨナラする
この歳で差し歯は嫌よ!!!
「どーしたもこーしたも」
「あっ!!!おぬし!」
「げっ」
聞き覚えのある
頭の悪そうな声だ…
一瞬しか聞いてないのに
こんなに頭に残る声は、話し方は…
「やああっと見つけたぞ!おぬし昨夜のわっぱであろう!」
き、昨日のアホ運転手だああああ!!!!!
ていうか
き、キャラ強えええええええ!!!!!
今日びこんな喋り方の高校生いねぇし!!!
なんならお年を召してても
もっと普通に喋るわ!!!
逆に厨二病かな!?
「おぬし、儂を轢いておいてよくも帰れたな…」
「寝言は寝て言えってんだいドチクショウ」
轢いたのはお前だよ
お前が俺を轢いたんだよ!!!!
寝耳に水だよ!!
「儂はただ…おぬしが困っておったから…手助けを、と…」
なんだこいつ
この喋り方でクソガキみたいな顔と身長で
半泣きになられたら
俺がいじめてるみたいじゃねえかよ
野次馬どもが
可哀想、だの、あいつは最低だ、だのと
言い出したもんだから
俺が悪いムードじゃねえか
えっ?
これ俺が謝罪パターン?
絶対しねえ!
俺は権力と世論に屈しないんだ!!
「また面倒なのに引っかかってんな、あーくん」
「俺の周りには頭のおかしいやつしか集まってこないってキヨくんとキーにぃで自覚はしていたんだ」
「ぶっ殺すぞてめえ」
「ごめんなさい」
キーにぃとコソコソ話していたら
何かに腕を掴まれた
「儂を轢いたんじゃ、儂の下僕になれ」
アホだ。
また周りがざわつく
よくよく聞いてみると1つの単語が
俺の耳に入る
しょ、き…さ……ま
初期様?
アホの初期症状様?
違うな…
まっ、まさか!?
書記様?!!??
「おっ、おまえ…生徒会?!」
「?そうじゃが?」
「あーくん…知らなかったの…?やばない?」
俺の無知がやばいんじゃない
役員と関わったら
悪魔が来ることの方がやばいんだ
「俺はおまえの下僕にならないし謝罪もしない!俺に金輪際関わらないでいただけると非常に嬉しい!!!頼む!!オナシャス!!!!」
面食らったようなアホ書記の顔も
静まり返った周りも
爆笑してるキーにぃも
いまはどうでもいい
俺には聞こえる、しっかりと聞こえてるんだ
悪魔の足音が…!!!!
「わかった、じゃあ明日、昨夜のとこで待ち合わせじゃな!」
アッ!話通じないこいつ!
「しない!待ち合わせしない!!」
何かに後ろから首を掴まれた
「え〜〜の〜〜も〜〜と〜〜く〜〜ん」
ああああああああああもうなんなんこいつ!!!!
振り向いた風紀委員長の顔は
痛々しく絆創膏や湿布が貼られていた。
「うわ、先輩湿布くせえ!!」
「ほんま、どつきまわしたろか貴様」
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