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忘れていたあいつ2
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夜中に目が覚めてしまった。
すぐ隣の部屋で変態が寝ているという
恐怖心からか。
それとも入寮入学初日でまだ
落ち着かないからか。
理由は様々考えられるが
俺はやっぱり
なかなか寝付けづにいた。
共同スペースの冷蔵庫にも
まだ何も入れてない。
寮の一年用共同スペースには
確か自販機があったのを思い出して
俺は小銭を握りしめて
部屋を出た。
時刻は1時を回ったところだった。
「あー寒い。ホットコーヒーは飲めないから…」
ココアも実は嫌い。
俺はロイヤルなミルクティを所望する。
自販にあるかな。
「あれ」
先客だ。こんな夜中に誰かいる。
「あ。」
「あ?」
今この瞬間、その顔を見るまで忘れていた
「お、オカシー…」
「て、テッメェ!!!!」
「オカシー!しーっ!夜中だよ!」
ハッとしたようにオカシーは声を潜めつつ
俺の方へと歩いてくる。
効果音をつけるとしたら、
ズンズンズン。
こえー。
「てめぇ今日はよくもやってくれたなあ、アア?」
「ごめん、本当にごめんまじ許してジュースおごるから」
「今買ったからいらん。ジュースごときで許せるわけねぇだろ」
ですよね…でへ。
「オカシー、見た目爽やかイケメンなのに不良みたいだよ凄み方が」
「なっ、はっ、ちっ、ちげぇし!!俺は元不良じゃねぇ!!!」
元不良ってなによ。
不良でいいじゃない。
はっはーんわかった
「オカシー元ヤンかよ〜オイオイ〜〜へいへい〜」
「てめぇ俺を脅す気かよ…!」
やだちょっとなに
脅すとか脅さないとか発想がもう元ヤンじゃん…
自分から言ってるようなもんじゃんソレ
「オカシー隠し事できないタイプか」
「オカシーオカシーうるせぇ!!!」
顔真っ赤にして小声で怒鳴るという
小器用な技を披露してくれた。
「なに買ったの?」
「ハァ!?なにが!?」
「ジュース」
「ペプシだけどぉ!?」
なんでそんな半ギレなの
「へー、あ、俺も買っていい?」
目の前でたちはだかれたら買えないじゃん。
「勝手に買えや!!!」
「邪魔だっつってんだよどけ」
オカシー二位のくせに頭悪いな!?
元ヤンっつーかなんかもう
ヤンキーだよそんなんじゃ!
ん、つかなんか
俺これデジャビュ。
前にもこんな感じのことがあった気がする。
「てめぇまじで今日のはシャレになんねぇぞ」
「わーったわーった、ごめんて。なになんなの
どうしたら許してくれるの」
「ハァ!?逆ギレかよ」
なんかもう別に許してもらえなくてもいい気がする。
「人探し」
「はい?」
「この学園で探してるやつがいんだよ。手伝え」
「うーわえらいこっちゃめんどくせぇ」
紙コップの自販機が
ホットのロイヤルミルクティーの
完成を知らせる音が
俺のめんどくさいセンサーと
同じ瞬間に鳴った。
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