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約束 1
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翌朝、何時に斎が迎えにくるか分からなかった凪は、朝から準備をして斎の迎えを待っていた。
―――なんかこれってかなり楽しみにしてるみたいじゃ……
いやいや、別にアイツに会いたいから張り切って朝から準備したわけじゃねーし、この前みたいに近所迷惑なことされたら俺ここに住めなくなるから準備しただけであって……
自分に無理矢理、言い訳をつけてぶつぶつと呟く。
「…なんか俺マジで気持ち悪ぃ」
本当のところ、凪は足浮き立つ気持ちを抑えていた。斎に会えると思うと図らずとも胸が高鳴ってしまう。
会いたくないのに会いたい。
矛盾した気持ちが凪の心を錯誤していた。
(用意したのはいいものの、マジで何時に来るんだよ…)
凪は時計を見て昼の12時を回っていることを確認すると、スマートフォンの画面をつけてメールの新規作成を開く。
(何時になるか聞いた方がいいよな…)
あまり手馴れていない操作で、
『何時頃くんの?』
とだけ文字を打ち、斎宛てに送信をした。
なんだか催促しているようで癪に障るが分かっておいて損はない。
気持ちを落ち着かせるため一呼吸、息を吸い込み吐き出すとお腹がぐぅ、と音をたてたことにより空腹なことに気づく。
(そういや朝からなにも食べてなかったな)
凪は滅多に使うことのないキッチンへと向かうと冷蔵庫を開けて愕然とする。食材どころか飲み物すらろくに入っていなかった。
「…何もねぇじゃねーか」
溜め息を吐き出すと冷蔵庫を閉めた。
「…近くのコンビニまで何か買いに行くか」
凪は呟くと、玄関の扉を開けた。
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