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親友 6
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_______…
「ん…」
ふと目が覚めた凪は、まだ重たい瞼を擦る。
「…あれ、俺いつの間に……」
目を開けると真っ暗な闇が視界に入ってきた。
ぱちぱちと何度か瞬かせるも、何も見えない。
確か祐也とお風呂に入ってたはず…
となるとここは祐也の部屋か…
いつの間に眠っていたのだろう。
不思議に思うも、暖房がきき過ぎているせいか喉がカラカラで、凪はお茶を頂戴しに行こうと身体を起こす。
「…ん?」
身体を起こそうとするのだが、何かが巻き付いていて身動きがとれない。
ふと感じる温かな人肌と首にかかる風に、凪の眠気は一気に吹き飛ぶ。
それと、決定的となる柑橘系の香りが強く鼻を霞めた。
「ゆ、裕也……?」
凪を抱きかかえるように回された腕に、背中に感じる体温。しかも凪の脚に祐也の脚が絡みついていて、ぴったりと身体がホールドされている。
今まで祐也の家に泊まりに行ったことがあっても裕也と一緒のベッドで寝るようなことはなかった。
…この状況、なに……?
なんで抱き枕状態になってんの…?
急に緊張してきて身体が強ばる。
た、確か祐也とお風呂に入ったのは覚えてる。
それで……だ、抱き締められて…ゆ、祐也にキ、キキキス……
どくん、どくんと鼓動が早くなっていく。
夢だと思っていた、いや夢だと思いたかった出来事を思い出してしまう。
どうして祐也はキスなんか…?
いくら祐也がチャラいからって、幼馴染みにまで手を出すとは考えられない。
祐也がチャラいのは今に始まったことではないし、今までにもそういう事は一度もなかった。
じゃあ何で……
……も、もしかして俺のこと好き…とか?
「……」
首を回して裕也の方を向く。
徐々に暗闇に慣れてきた目は祐也のスヤスヤと眠る顔を映し出した。
すーすー、と気持ちよさそうな寝息が聞こえてくる。
…いや、いやいやいや、まさかな。
小さい時からずっと一緒だったし、そんなことあるわけない。
雨に打たれて本当に気がおかしくなったんだ。そういう事にしておこう。
とりあえずこの状況、どうしよう。
…何とか祐也から離れよう。
考えるのはそれからだ。
そろ、と祐也の腕を持ち上げようと腕を掴む。
「んん…凪……」
祐也がもぞもぞ、と動くと凪の名を呼んだ。
それに反応してぴたりと凪の手が止まる。
……うそ…え、起きた……?
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