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放っておいて欲しいのに 3
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「…どこ行くんだよ」
バックミラーに映る斎に向かってそう声を掛ける。
「……」
そう問いかけたにも関わらず無言で運転する斎。
―――あぁ、無視ですか。
別にいいですよ。大体、俺悪くねーし。
凪はミラーに映る斎を睨む。
すると斎がこっちをちら、と見た。あの鋭く冷たい瞳が俺の目を捕らえたことによって、身体がびくりと跳ねる。
―――…やっぱり、斎のこの目は嫌いだ。
全て見透かされているような気分になってくる。
俺が、斎のことが好きだということがバレてしまっているようで―――怖い。
緊張からか、手のひらがじわ、と湿気を帯びてくる。
ふい、と瞳がそらされると、金縛りがとけたときのように力が抜け、胸を撫で下ろす。
それからも斎は一言も話さず、運転をしていた。
なんとなく話してはいけないような雰囲気に凪も同様、口を閉ざした。
◆
着いた先は斎のマンションで、後部座席の扉が開かれると降りろ、と告げられた。
その言い方にむっとするも、声が一段と低く、機嫌が良くないことを悟りとりあえず従った。
「…なんで斎んち?やだよ、俺行かない」
凪は車から降り、ドアを閉めると、歩き出そうとしている斎にそう告げた。
「…いいから来い」
「いやだ」
「来いって言ってるだろう」
そう言って凪の腕を取る。
「ちょっ…嫌だって…!離せっ……!」
無理矢理、腕を引かれ、お洒落な内装のエレベーターの壁に叩き付けるように乗せられた。
「っ!」
その衝撃に顔をしかめると、突然腕を押さえつけられる。
斎の顔が近くに迫ってきて驚いたのも束の間、すぐに唇が重なった。
「ん…っ!」
口元に感じる弾力のある斎の唇から広がる熱に、凪の鼓動は大きく高鳴る。
「…ふ…ぅ…んんぅっ!」
唇を割って入り込んだ熱く濡れた斎の舌がだんだんと貪るように絡みつく。
灼き尽くされてしまいそうなキスから逃れるように、その舌を押し返すも、逆に絡め取られてしまう。
―――嫌だ…っ
諦めると決めたのに流されてしまいそうな自分が嫌で、必死に抵抗しようと腕に力を入れる。
だが、その大きな手が外れることはなく、さらに舌をじゅ、と吸われて身体の力は徐々に抜けていく。
「…ぁ…ふ…っぅ…」
久々に触れた熱をまるで待ち望んでいたかのように、身体は従順に反応し、芯から熱く火照らせる。
好きだと素直に認めたいま、目の前の斎から与えられる熱を自然に欲した。
チン、と軽い鈴のような音が聞こえてくるとエレベーターの扉が開く。
斎は唇を外し、凪の腕を掴むと部屋の前まで連れられ、すぐに鍵をあけ中に押し込まれる。
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