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真偽
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そう告げてから斎を見ると、思い出そうとしているのか瞼が伏し目がちになる。スッと通った鼻筋に、目の彫りは深く薄めの整った口唇。
どれを取っても人形のように美麗で、どうして自分なんかに関わるのか不思議だ。
斎からの返答を待つ間、自然と見つめてしまう辺りやはり好きだな、と自覚させられる。
そう考えていた――瞬間。瞼が開き、切れ長で形のいい眸が凪の視線と合わさった。
どき、と一際大きく跳ね上がる心臓がうるさく鳴り響く。
これから残酷な真実を告げられるというのに、不謹慎にもキスしたいと思ってしまった。
―――どうせ最後になるのなら
だが、そんなこと言えるわけもなく、いつの間にか緩んでいた顔を引き締めると斎をしっかりと見据えた。
「あれは――」
斎の形のいい口唇が開く。本人の口から直接聞いて白黒つけたいのに、いざ告げられるとなると傷つくのが怖くて、ぎゅ、と瞼を閉じる。
「妹だ」
予想外の言葉に凪は大きく目を瞠った。返ってきた言葉は予想外のもので唖然としていると、斎が更に続ける。
「この前が誕生日だったことすっかり忘れてお前と会う約束をしてしまったが流石に家まで来られるとそのまま返すわけにはいかないだろ」
「……い、妹……じゃ、じゃあネックレスあげた人は……?」
「それも妹だ」
目を据えながら淡々と話す斎はどう見ても嘘ついているようには見えない。
「…な……んだそれ………」
俺の、勘違いってことか……?
なにそれすげー恥ずかしい。
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