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恐ろしい程の強烈な痛みによって目を覚ました。
額には汗がじわりと滲んでいる。
神経までズキズキと響くこの痛みは、どうやら歯が引き起こしているようだった。
嘘だろ?いや、まさか。
「さて、歯磨きでもしようかな」
疑惑を確信にはしたくなくて、平静を装う。ベッドから起き上がり、洗面所へと向かう。鏡に映る自分を一瞥してから、すぐに歯ブラシを手に取った。
歯磨きをすると、殺菌消毒になって虫歯も治るのではないか。そんな甘い考えを浮かべ、シトラスミント味の歯磨き粉をブラシにたっぷりと乗せた。勢いよく口に含み、歯を磨いていく。
最初は余裕だった。
もしかして、歯が原因では無いのかも。そう、思った次の瞬間、ズキンと奥歯をハンマーで殴られた様な痛みに、じわりと涙が浮かぶ。
痛い。
普通に痛い。
かなり痛い。
俺、今日死ぬかもしれない。
歯医者か?ついに行かなきゃならないのか?
それだったら、まだ死んだほうがマシかも…
頭の中をぐるぐると駆け巡る、歯医者の文字。
凪にとって、歯医者という場所は最も嫌いなところであった。
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