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新たな男
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「ちょっとあゆ!!超イケメンじゃん!誰誰!?」
興奮気味に声を潜めて耳打ちするともちん。
しかし歩は泣き腫らした遥の顔を思い出して黙ってしまう。
そんな二人をどう解釈したのか、遥の元カレはにこにこしたまま。
「隣の子、歩くんの彼女?可愛い子だね」
180を超える長身、甘いマスクに優しい大人の笑顔は高校生のともちんにとっては充分魅力的なのだろう。
ともちんの目がハートに変わるのが分かる。
「あのぅ…いま彼女とかいるんですか?」
ともちんだって夏休みに入ってまた新しい彼氏ができたばかりなのにもじもじしながら亮一に上目づかいで聞いている。
「いや…今はいないよ」
にこりとともちんに笑いかける好青年を歩は無意識に睨んでいた。
「そんな恐い顔しないでよ、歩くん。
別に彼女をとろうとか思ってないよ」
歩の刺々しい視線に気付いた亮一が困ったような声をあげる。
「いえっ、私とあゆはただの友達ですよぉ」
歩の代わりにともちんが赤い顔で答える。
「えっ…そうなんだ?」
一瞬、亮一の目が光った気がした。
「歩くんさ、このあと時間あるかな?」
「…いえ、これから部活なんで」
今まで黙っていた歩だったが、話をふられて渋々といった様子で唇を尖らせながら呟く。
「もしかして…遥のこと気にしてるのかな?」
歩は何も言わなかったがそれは肯定だと暗に示していた。
「あれね、遥の勘違いなんだ!
その事で歩くんに相談したいことがあるんだけど…」
さりげなく歩の肩に手を置く亮一はそのまま歩き出そうとする。
遥のことで…と言われたら歩も断れない。
二人連れ立って歩き出す。
「あっ、あゆ~!」
あっけにとられて置いてきぼりのともちんに「あとでメールするね」と歩は顔だけ後ろを向けて叫ぶ。
◇◆◇◆
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