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新たな男
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ガチャッ、
急に自室のドアが開いて遥が隙間から顔を出す。
ノックをしないのはいつもの事だ。
「あゆむ~夕飯だって…って何?
寝てんの?」
呆れた声が降ってくる。
「ん~…起きてるよ」
ゆっくり瞬きしてベットに寝そべったまま顔だけ遥の方に向ける。
思わず昼間の亮一が頭に浮かんで遥の顔をじっと見ていたら怪訝そうな顔で返された。
「……遥っていま彼氏いるの?」
「はァ?」
「まだ亮一さんが忘れられない?」
亮一の名前を出した途端、遥が動揺したのがシンクロして歩にも伝わった。
「な、何言ってんの!!早くリビング来なよ!」
慌てたように部屋を出ていく遥を見て歩の中で確信する。
(やっぱり遥も亮一さんのこと…
あんなに泣いてたしな…)
大好きだった人をなかなか忘れられない気持ちはよく分かる。
遥と亮一はすれ違ってしまっただけ。お互い想い合っている。こじれた赤い糸をほどけるのは自分しかいないと歩は思った。
勢いよく起き上がり、帰り際に渡された名刺を部活用のバッグのサイドポケットから取り出した。
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