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交錯する想い
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玄関からリビングに続く廊下を抜けると黒の革張りのソファに案内された。
目の前には薄型テレビに両側には円筒型のスピーカーが置かれていた。
これで映画を観たらさぞかしシアター気分を味わえるだろうとぼんやり思った。
部屋の奥に寝室らしきドアが見えるから間取りとしては1LDKといったところか。独り暮らしには充分広い。
初めての部屋に居心地が悪くソワソワしてしまう。
そんな歩を見てクスクス笑いながら亮一は冷えたグラスをリビングテーブルに置いた。
「あ…お構い無く…」
「嫌だなぁ、俺と歩くんの仲じゃないか」
やたら親しさをアピールされる。
さぁ、と勧められるままグラスを空にした。いつも飲んでいるミルクティーと少し違う味がしたが緊張からよく分からなかった。
ソファがぎしりと揺れて隣に亮一が座った。三人掛けのそれなのに肩がくっつくほど近い。
妙に落ち着かない。
歩の中で何故か早く帰らないと、と警報が鳴る。
「ねぇ、歩くん。いま恋人とかっているの?」
「いないですけど…」
なんでそんなことを聞くのか。
「じゃあ俺とか、どう思う?」
「何言ってるんですか?亮一さんは遥の彼氏でしょ?
…ていうか遥の話をしましょ…」
話の途中なのに歩の首筋に顔を埋めてスンスン匂いを嗅ぎ始める。
亮一のパサついた髪の毛が顔をくすぐる。
「…歩くんてさぁ、甘いいい香りがするよね、何かフレグランスつけてるの?」
「いえ…特には…つけてないです、けど…」
いまだ首筋に荒い鼻息を感じながらさすがにおかしいと気付いた。
男二人で何をやっているんだか…
「初めて見た時から思ってたよ。俺の理想ピッタリだって」
ようやく首筋から離れてくれたが今度は顔を覗きこまれる。
自然と見つめあった瞳の奥ではギラギラしている。
自然と腰が退ける。
「ねぇ、俺のものになってよ」
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