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初恋の行方
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「……もし、俺があの男のようにお前を閉じ込めたらどうする?」
「えっ 隆之が?」
歩が大きな目を瞠る。
「そう、日頃の欲が爆発してな」
冗談めいた口調だが目は真剣だ。
「うーん………多分許しちゃうんだろうな」
歩が難しい顔をしたのは考えこんだ一瞬だけでふっと表情を和らげる。
今度は隆之が瞠目した。
「だってさ、隆之は一番の親友だよ?
何があっても一生嫌いにはなれないでしょ」
ふんわりと笑う姿は花のように可憐で美しいものだった。
「そうか…」
一生嫌われることなく側にいるのも悪くはないかもしれない、と隆之は笑みを漏らす。
歩の手を引き沿道の端に連れていく。
「俺はお前を諦めたわけじゃない。
アイツがお前を泣かせることがあればさらっていくからな」
不意に隆之の顔が近付き歩の唇にそっと触れるだけのキスをした。
「もう…っもうっこんな人混みで~」
唇を離すと顔を赤くして隆之の腕を軽く叩き、抗議する。
隆之とのキスには免疫がついたのか歩は人の目だけを気にしていた。
何をしても嫌われることがないと本人の口から聞いて堂々と実行に移した隆之は悪びれる様子もない。
ふと歩たちの歩く進行方向の待ち合わせした場所にマキと二宮が立っているのが視界に入った。
隆之は絡めた指先をゆっくり離した。
クシャリと柔らかな髪を撫で
「お詫びに後でクレープおごる」
ふわりと隆之が笑った。
「やった!約束だよ」
クレープ一つで機嫌が戻るならいくらでも買ってやる。無邪気に喜ぶ歩の髪に唇を寄せようと肩を抱いた。
瞬間――――
前方からツカツカ歩いてきた二宮に腕を払われた。
「…嫉妬か?」
腕を払われるなんて気持ちのよいものではない。ニヤリと口の端で笑いわざと挑発する。
「なっ…!?……悪ィかよ」
挑発に乗ってくるかと思ったが学園の人気者は顔を真っ赤にして横を向いたと思ったら小声で認めた。
からかい甲斐のある奴だ…
隆之はほくそ笑む。
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