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初恋の行方
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「わー!歩くんめっちゃキレイ!!」
隆之と二宮の脇を通り抜けマキは歩に近寄る。
アングルを決めると早速携帯を取り出してカシャカシャ写真を撮り始める。
隆之と二宮は特に止めに入らず密かにマキに画像を送ってもらおうと考えた。
マキが思わず写真を撮りたくなるのが分かるくらい歩の浴衣姿は魅力的だった。
制服姿や私服とは違い何だか…エロイ。
うなじはもちろんのこと歩く度に浴衣の合わせ目からチラリと覗く鎖骨だったり、裾から覗くくるぶしだったりキリがない。
総じてエロい。
二宮は完全に歩の色香にあてられて直視できずにいた。
本人は周りの厭らしい視線はどこ吹く風で、
「ありがとう。マキちゃんもそのピンクの浴衣、可愛いよ」
カメラを向けて今度は動画を撮るマキに困ったように笑いながら歩がカメラ越しにマキを見た。
カメラ目線で美少年から可愛いなんて言われたら嬉しくない訳がない。
「歩くん!食べたいのあったら言って!!何かおごる!!」
マキの方から腕を絡めて連れ立って歩けば浴衣姿のカップルの出来上がりだ。
その後ろからついてくるのは長身のイケメン二人組。
歩抜きだと途端に眼鏡の奥が冷ややかな瞳に変わり、必要以上のことはしゃべらなくなる隆之。
そのことに二宮はさして気にもせず露店を覗いている。
その表情はどこか上の空だ。
歩はそんな二宮をチラリと盗み見た。
今日はまだ一度もあのあったかい笑顔が見れていない。
いや…様子もいつもと少し違う。
「あ~あ、何だか元気ないねぇ…
にのっち」
歩の視線に気付いたマキ。
「ま、別れたばっかじゃしょうがないかもね。
…けど絶対別れないと思ったんだけどな~」
意味ありげな流し目を歩に向ける。
「別れたって…」
誰と誰が?とまではさすがに聞かなくても明白だった。
驚いて次の言葉が出てこない。
「にのっちが他に好きな人ができたって別れたらしいよ、茜と」
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