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初恋の結末
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パァァーーン!!ドォォーーン!!
見上げると大輪の菊の華。
二人を祝福するように次々と円く大きな華が咲いては散り、散りは咲き、いつの間にか藍色に染まった空を鮮やかに彩る。
「花火……始まっちゃったな」
空を見上げる二宮の耳はうっすら赤い。
これは夢なのか…?
嬉しいという気持ちより驚きが勝る。
だが、信じたい気持ちも少なからずある。
「ほんとに…?」
ぽつり呟く。
「…後悔しない?ぼく…男だよ?
む…胸とかないし…
その…つ、つまんない…でしょ?」
独り言のようにぽつぽつ呟くが段々赤くなり最後には両手で顔を覆って隠す。
(これで『嘘だよ』って言われたら一生立ち直れなくなりそう――)
極度の緊張で両手が震える。
二宮はそんな歩の手をとり、両手で包む。
真夏なのに驚くほど冷たくなっている指先をギュッと握る。
「お前に会えないほうが後悔した。気付くと歩のことばっか考えてたし。俺も もう限界」
笑って言うが、二宮の指も微かに震えていた。
緊張しているのだろうか…
「あの…二宮くんの経験値下げちゃうんじゃ…」
「俺どんだけ遊び人なの?
経験値って言うほど経験ないって」
不安はすぐには埋められない。
相手はつい最近まで彼女がいたのだ。
二宮はコツンと額を歩の額にくっ付ける。
「俺が信じられない?」
歩だって信じたい。
しかし、散々実ることはないと諦め続けてきた想いだ。俄に信じがたい。
「だって…ぼく…二宮くんが全部欲しいんだよ…?
友達の好きじゃないんだよ?」
「俺も同じ。お前のこと大切にする。
今までいっぱい傷つけた分も。
男だから、とか関係なくて俺は歩がいい
歩が全部欲しい」
ちょん、と優しいキスが唇の先に降る。
そのままチュッ、チュッ、と何度も何度も啄むようなキスをされるとようやく歩が木と木の間から離れて二宮に抱き着いた。
二宮は細い腰に腕を回して引き寄せる。
返事とばかりに歩も二宮の首に腕を絡める。
花火がひっきりなしに空に上がる中で、お互い想いを確かめるように夢中で唇を重ねれば自然とキスも深くなっていく。
舌と舌を絡め合えばチュクチュクと厭らしい音が辺りに響く。
舌を吸われるとジンと甘い痺れが走る。
甘くて蕩けそうな快楽の波に身を任せるように力を抜けば二宮の唇が顎のラインから首筋に落ちてくる。
薄く透き通るような白い皮膚に浮き上がる血管を舌先でなぞられる。
鳥肌がたつほどぞくぞくする。
「ふぅ……ンッ」
自分でも驚くほど甘い声が出る。
首から胸にかけてじわりと滲む汗が花火が上がる度にキラキラ光る。
舌で掬われ、恥ずかしさで顔から火が出そうだ。
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