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初恋の結末
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「歩ってどこもかしこも甘いな」
ようやく二宮が顔を上げた。
「ミルクティーの味がする」
「えっ ウソ!」
「本当だって。ポッキーゲームの時から思ってた。
歩の唇はミルクティー味だって」
あの時は直前にミルクティーを飲んでいただけだ。
しかし歩はおそるおそる自分の腕に舌を這わす。
……やっぱり味はしない。
ペロペロ自分の腕を舐めながら眉をひそめ二宮を見る。
するとおもむろに二宮は視線を外して横を向いてしまう。
花火の光のせいか仄かに赤い。
「…その顔はやべーだろ」
「?」
コテンと首を傾げる。
「あのなぁ、煽るなってこと!
こっちは今にも押し倒しちゃいそうなのを抑えてんの!!」
しっとりとハリのある白い肌に乱れた浴衣の合わせからチラチラと淡いピンク色の突起が見えて先ほどから二宮の情欲を掻き立てていたのだ。
加えてそんな顔で見つめられては理性がグラグラと揺らぎそうだった。
「……別にいいのに」
「は?」
「ぼくのぜんぶ、二宮くんのものだから押し倒してもいいのに」
ぷぅと頬を膨らませて拗ねた様子は先程の色っぽい声を出していた人物とは思えない程幼い。
可愛いすぎる…
思わず理性が崩壊しそうになるが、どうにか抑え込む。
「だめ!俺は大事にするって決めたから。
勢いじゃなくてちゃんと抱きたい」
あからさまな言葉に今度は歩が頬を紅く染める。
「うん…」
どちらともなく手を握り、お互い照れ隠しのように肩を並べて視線を空に向ける。
今まで見た中で一番綺麗な花火だった。
嬉しくて幸せで涙が出そうだ。
初キスがミルクティー味か…
この初恋もそんな味になればいいのにな、とこっそり思う。
いつかは自嘲気味に喩えたが今は素直な気持ちで思える。
『恋愛って思い通りにならなかったり甘かったり苦かったり、
そんな繰り返し』
亮一に言った言葉を思い返す。
二宮への初恋はやっと甘味を帯びた。
きっとこれからも酸っぱかったり苦かったりを経験するのだろう。
もしかしたら、心が折れてしまいそうなこともあるかもしれない。
そんな時は、二宮にこの初恋を再び甘くとろけた味に変えて貰おう。
願わくはミルクたっぷり砂糖多めで。
☆end☆
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