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番外編※その後の二人
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ピン……ポーン。
遠慮がちに押されたインターフォンはいちいち確認しなくても二宮篤志には誰だか分かった。
逸る気持ちを抑えながら返事をして玄関の扉を開けるとそこにはボストンバックを抱っこしてはにかみながら立つ美少年の姿。
その姿につい口元も綻んでしまう。
「遠慮すんなよ。入って」
「お邪魔します…」
やや緊張してるのか、右手と右足を同時に出して廊下を歩くぎこちない姿にまた笑いが漏れる。
美少年の名前は相葉歩。
今年の五月、ひょんなことから出会った二人はゆっくりと惹かれ合っていき紆余曲折の末、
夏休みの後半にやっと恋人同士になったのだった。
ちなみに二宮も歩も男同士。
お互い男と付き合うのは初めて同士。
歩に至っては付き合うこと自体が初めて。
夏休みが終わり、いつの間にか衣替えの季節を迎えていたある日の土曜日―――
恋人同士になってから初めて歩が二宮の家に泊まりに来たのだった。
二宮だって朝から緊張していた。
恋人同士になったのにお互いテストや部活で忙しくてゆっくり会う機会がなかった。
毎日メールや電話したり、部活終わりに夕飯を食べに行くことはしていたが付き合う前にしていた事と変わらない。
久しぶりにお互い部活がオフで二宮の両親も温泉旅行に出掛けている。
二人きりで過ごす文字通り初めての夜なのだ。
リビングのソファに歩を座らせて歩の好きなミルクティーをカップに注ぎ、渡す。
もちろん歩用に角砂糖は3つ。ミルクは多めに。
「ありがと。
あ…これ、うちのお母さんから」
「悪いな。気ぃ使わなくていいのに」
菓子折りを受け取りながら二宮が苦い顔をした。
「遥からもなんかお土産だって」
もう一つの紙袋も渡される。
「へー、何だろ…」
遥からなんて、珍しい。そう思いながら紙袋を開けて中身を確認する。
途端、顔を真っ赤にして二宮が慌てて紙袋を閉じた。
「あ、あいつ…」
二宮は急いで紙袋を自室にもっていき、ベット下に放り投げた。
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