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番外編※その後の二人
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二宮がちょうどまどろみ始めた頃だった。
グスッと鼻をすする音が聞こえて覚醒した。
「歩?」
ベットに目を向けるとこんもりと山ができていた。
「どした?寝れない?」
夜目をこらせば布団の山盛りはフルフルと震えていた。
布団の中の頭があるであろう部分だけ捲ってみる。布団に顔を押し付け俯せにうずくまっている塊。
グスッ…
また鼻をすする音。
「泣いてるの?歩?言ってみな?」
優しく柔らかな髪の毛を撫でれば涙声で「な…なんでも…ないッ…」と一言。
「俺は泣いてる歩見て何でもないとは思わないよ」
少し厳しい声色で言うと歩はおずおず顔を上げる。大きな瞳と鼻先が真っ赤なのが暗くても分かった。
「ど…して…抱いてくれないの…?
…やっぱり……ぼくじゃ…いや……?」
思いもよらない答えに二宮は生唾を飲み込む。
カーテンの隙間から漏れる月明かりが歩の目もとの雫を光らせる。
二宮にとっては『大切にしている』つもりが不安にさせていたなんて。
「バカだなぁ…」
胸に込み上げるものがあり、思わず歩の小さな肩を抱き締める。
そういえば恋人同士になった時も歩は何度も何度も不安そうに聞いてきた。
『後悔しない?』
『二宮くんの経験値下げちゃうんじゃ…』
『二宮くんが全部欲しいんだよ…?
友達の好きじゃないんだよ?』
「バカは俺か…」
呟く。
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