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番外編※その後の二人
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澄んだ瞳がじっと不安そうに揺れている。
「当たり前だろ。もう比べなくていいから」
二宮は柔らかな茶色の髪に指を絡める。サラサラと癖のない髪の毛が指の隙間からこぼれていく。
「あいしてるよ」
それは高校生の自分が言うにはまだ早い言葉なのかもしれない。
しかし、この言葉以上に今の溢れる気持ちを表せない。
「言っとくけど茜にも言ったことないからな」
そう付け加えると歩は嬉しそうにはにかみ、重そうな瞼でゆっくり瞬きを繰り返す。
頭を撫でると安心したのかすぐに寝息が聞こえてきた。
なんて幸せなのだろう。
ふと、思う。
恋が愛に変わる瞬間があるならこのトキではないか、と。
そんな愛しい人の隣に寝そべり細い腰に腕を絡める。
抱き寄せてから自分も眠りにつく。
腕の中で眠る恋人の不安が少しでも取れることを願って。
◇◆◇◆
君が安心できるなら、甘い言葉を唱え続けよう。
それは君が好きなどんなデザートよりも甘く、蕩けてしまうくらいに。
☆end☆
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