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母と狗(3)
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そんな次郎がこのバイトだけは許すと、女装バーの店長を連れてきたのは高校卒業間近である。その頃から吉春は次郎によってなぜかレディースの服を着させられていた。そして袖を通す度に可愛い可愛いと口付けられ、嫌みのひとつもドロドロに溶かされてしまえば、吉春は負けるしかないだろう。
なぜ女装バーなのかと次郎に尋ねたことがあるが、理由は可愛いからと単純だ。女装をさせるのもそういうことらしい。高校生ということで初めこそ裏方をしていたが、いまでは店の売り上げに貢献できているほどである。
女装バーと謳われてはいるが、それなりに広い店内の内装は明るく、どちらかといえばファミレスに近いだろう。だからなのか女性客もよく訪れていた。ソフトドリンクもアルコールも種類が多く、賑わう店に誇りさえある。店長も仲間もいい人であり、やめたいとは思わない。
「次郎っ、ふざけんな……!」
「そうですね。吉春は倒れたわけですから、抜くだけにしましょうか」
「へぁっ!? んっ……! 次郎っ、嫌だって!」
胸元にキスを繰り返していた次郎はそれをやめ、フリルで縁取られたスカートに手を伸ばす。
そういうことじゃないと絞り出そうにも、唇は次郎に塞がれ、スカートの下を蠢く手に力が入らない。唇が離されればすぐに手を添え、声を出すまいと耐える吉春の首筋にかかる髪を払い、次郎はそこに噛み付いた。ペロリと歯形と共に鬱血の痕を舐め、震える吉春の目元に唇を当てる。
「んん……っ」
次郎が付けたキスマークは吉春の躯のいたるところにあるが、次郎にとってはまだまだ足りないようだ。首筋からチリチリと痛みが走ってくる。
「んっ……んー!」
「私の吉春」
「ぁ……、あ……、じろ……っ」
「はい。気持ちいいですか?」
吉春に囁けば、ぎこちなく頷いた。次郎はその顔に笑みを浮かべながら緩く動かしていた手に緩急をつけ始め、吉春を絶頂へと導いていく。
「ふぅうぅ……! じ、ろ……っ、じろっ、も、出る……!」
ぎゅっと目を閉じれば頬に涙が流れていった。それを次郎が舐め取った瞬間、吉春は白濁を吐き出した。
「じ、ろ……、手、汚れ――」
乱れた呼吸で薄目を開ける吉春に口付け、舌を合わせる。響く水音に羞恥が湧いた吉春はふたたび目を閉じ、次郎から与えられる快楽に身を任せた。
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