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図書委員
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自己紹介が終わって、さっそく係を決めることになった。
俺はもう何がやりたいか決めてる。
というか去年もやったから今年もやるって決めてるんだ。
トモは学級委員かな?
去年はそうだったけど、今年もやるのかな?
戸村先生がのんびりした口調で話し始めた。
「まず学級委員から決めます。決まったら学級委員になった人が前に出て進めていってください。では学級委員やりたい人はいますか?」
その言葉に真っ先に手を挙げたのがトモだった。
あ、やっぱりね。
学級委員は1人でいいらしくそのままトモに決まった。
トモは目立ちたがり屋だからなー。
でもリーダーシップもあるし、まとめる力はあると思うから適任かもな。
それから徐々にいろいろな係が決まっていった。
そしてついに俺のやりたい係がきた。
「じゃあ図書委員やりたい人」
トモがこっちを見ながら言った。
やると分かってるからこっちを見てるんだろう。
言われてすぐ手を挙げた。
誰もやりたい人がいませんように!
「じゃあ図書委員は河田圭斗くんと熊崎洸太くんで決まりね。」
あれ?
なんかおかしな名前が聞こえたな。
聞き間違えかな?と思って黒板を見ると、たしかに河田圭斗、熊崎洸太と書いてある。
びっくりして後ろを振り返ると、熊崎と目が合いにっこり微笑まれた。
よろしくね。と小さな声で言われてしまった。
はぁ。と俺は曖昧な返事をしてしまった。
まあ図書委員やりたかったなら、俺と一緒だし別に驚くこともないか。
気にしなくてもいいことだったな。
俺が図書委員をやりたい理由は、本が好きだったり漫画が好きだったりっていうのもある。
だけどそれ以上に図書館っていう場所が好きなんだ。
静かな空間、本のにおい、本のめくれる音、すべてが俺の好きな場所につながっている。
そしてすべての係が決まり、下校の時間になった。
トモは他の仲良くなった人たちと話している。
今日は紗世ちゃんと帰るのかな?
紗世ちゃんと帰るなら俺はさっさと帰るし、もし紗世ちゃんと帰らないなら一緒に帰りたい。
そんなことを考えていたら、後ろからまた肩をとんとん叩かれた。
「河田くん帰らないの?」
熊崎が俺に聞いてきた。
「あ、トモを…。ってトモじゃ分かんないか。あそこにいる友永を待ってるんだけど。」
「学級委員の友永くん?仲いいんだ。」
「うん。1年の時に同じクラスだったし。」
「そっかー。友永くんと一緒に帰るの?」
「トモが彼女と帰らないんだったら一緒に帰ろうかなって思ってるけど…」
「ふぅん。じゃあ友永くんがもし彼女と帰るなら、俺と一緒に帰ろ?」
「は?」
ごめんなさい。
熊崎くんって意味わかんないよー。
謎だよー。
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