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はなちゃん3
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「じゃあ放課後一緒に帰ろ」
「うん、わかった」
熊崎と一緒に帰る約束をして、俺はまた本を読み始めた。
なんだかんだと時間が過ぎ、もう放課後になった。
「圭、かえろ?」
「うん」
熊崎と並んで熊崎の家に向かった。
「どうぞ」
「お邪魔します」
いつの間にか熊崎の家に着き、中に入れてもらった。
綺麗に片付いている玄関をリビングから覗くようにして1匹の猫がこっちを見ていた。
たぶん警戒しているのだろう。
灰色の綺麗な毛並みの猫だ。
ロシアンブルーかな?
めちゃくちゃかわいい!
しかし、ほんとにかわいいなぁ。
俺、ほんとに猫大好きなんだ。
犬も好きだけど、猫の方が好き。
実家でも飼ってたからかな?
「圭、この子がさっき言ってた子。」
熊崎は子猫ちゃんを抱き上げ俺の近くに来た。
「うん。かわいいなぁ。」
「圭は猫好きなんだ?」
「大好き!
くまさんは猫は好きじゃないの?」
「ううん。かわいいし好きだよ。」
「そっか。
この子の名前は?」
「あーそれがまだ決まってなくて。
…圭がつけてくれない?」
「え!?
俺がこの子の名前を?」
「うん。
どうかな?」
「え?いや、いいの?」
「うん。
どうせなら圭につけてもらいたいなって思って、今日来てもらったんだ」
まじかー。
責任重大だし。
ずっと使う名前だから、真剣に考えなきゃ。
「オス?メス?」
「あ、メスだよ」
「んーなにがいいかなー?」
しばらく真剣に考える。
けっこういろいろ意見を出したけど、俺の納得する名前が出なかった。
その時に熊崎から声がかかった。
「圭が前飼ってたって言ってた猫の名前はなんていう名前だったの?」
たぶん何気ない話をした時に前は猫飼ってたという話を熊崎にしたんだろう。
「花ちゃん」
「はなちゃんか。
じゃあその名前頂いていい?」
「え?はなでいいの?」
「うん。なにも浮かばなかったら、圭の飼ってた猫ちゃんの名前を付けたいと思ってたから。」
「じゃあ決まりでいい?」
「くまさんがいいなら」
「うん、じゃあ決まり。
はな、これからよろしくね」
熊崎ははなちゃんを見てニッコリ微笑んだ。
はなちゃんは寝ているけど。
いつの間にか寝てるけど。
「俺の前飼ってた猫もロシアンブルーだったんだ。
この子もロシアンブルーだろ?」
「うん。姉さんがそう言ってたよ」
「なんか俺の大好きな花が戻ってきたみたいで嬉しい!
会わせてくれてありがとう、くまさん」
俺はほんとにそう思って熊崎に笑って話しかけていた。
嬉しかったんだ。
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