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「こんな所に男の子が原稿を持ち込みにくるなんて珍しいなぁ。今、記入する用紙持ってくるからそこに座ってていいよ!」
「えっ、ちょっ、待って下さい! 待って!」
彼は僕の話を聞いていないのか、扉をバタンと閉めた。そして、何処かへと消えて行った。僕はそんな所に原稿を持ち込みしに来た人だと思われて放り込まれた。そして、彼がいなくなると彼女達の視線が強まった。
「ひぃいいいいいいっ!!」
その突き刺さる視線に絶えられなくなると、僕は部屋から飛び出そうとした。すると何故か扉が開かなかった。その瞬間、僕は閉じ込められたと悟った。
「あっ……開かない……!? だっ、誰か……! 誰か……!」
閉ざされた扉の前でバンバン音を立てて叩いた。こんな所に放り込まれたら恐怖は倍増した。大勢の女の子達がいる中で僕だけが男。そのワンハンドレッド的な数は、数では僕が圧倒的に負けている。彼女達はジロジロ見てくると、その場でざわついたのだった。それと同時に僕の頭の中の妄想スイッチもカチッと入った。
「ちょっと見てよあの子。男の子が、持ち込みに来てる。やだぁ、小学生みたいで可愛い~~! もしかしてBL好きな腐男子君?」
「男の子でもBL小説書いてるんだ。きっとそうよ。ああ言う眼鏡にちびっこ男子ってさ。BL漫画じゃ、腐男子設定でよくあるんだよね。冴えない男の子が実は的な?」
「そうそう。きっとあの子が書いた作品も主人公が腐男子なのよ。そしてあこがれの人が、自分の願望だったりするのよね。きっとあの子、可愛いから受けだよね。そして主人公も受け設定なのよ。んで、アッハーンなものを書いて持ち込みにきたのよ」
「そーか、そーか、腐男子君か、アハハハッ!
その瞬間、僕は妄想の中で彼女達の声が聴こえたような気がした。僕は自分が原稿を持ち込みに来た腐男子じゃないことを咄嗟にアピールしようとした。
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